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磽确
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こうかく
ふりがな文庫
“
磽确
(
こうかく
)” の例文
縦令
(
たとい
)
この地域は
狭隘
(
きょうあい
)
であり
磽确
(
こうかく
)
であっても厳として独立した一つの王国であった。椿岳は実にこの椿岳国という新らしい王国の主人であった。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
彼の不屈の精神はこの
磽确
(
こうかく
)
の荒野にあっても、なお法華経の行者、祖国の護持者としての使命とほこりとを失わなかった。
学生と先哲:――予言僧日蓮――
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
炎の
搦
(
から
)
んだように腰の布が
紅
(
くれない
)
に裂けて、
素裸
(
すはだ
)
であろう、黒髪ばかり
蓑
(
みの
)
のごとく乱れた、
躯
(
むくろ
)
をのせた、
輻
(
や
)
が
軋
(
きし
)
り、
轍
(
わだち
)
が
轟
(
とどろ
)
き、
磽确
(
こうかく
)
たる石径を舞上って
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
開墾するには余りに
磽确
(
こうかく
)
である
是等
(
これら
)
の高い平原は、牧場としてより外に人間との交渉は絶無に近い、稀には峠越の路が通じていることもあるにはあるが。
高原
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
ミヤマオダマキがうす紫の花を
簇
(
むらが
)
して、岩角に立っているのが、色彩が鮮やかで、こんな寒い雪や氷の、
磽确
(
こうかく
)
な土地も、深碧の空と対映して、
熱帯的
(
トロピカル
)
に見えた。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
▼ もっと見る
「どうも土地が
磽确
(
こうかく
)
ですな。虎杖の生えたところは
碌
(
ろく
)
な地味じゃありませんよ。」とA博士。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
風の激しさ。水の冷たさ。
艀
(
はしけ
)
の揺れ。海鳥の叫。そういうもの迄がありありと感じられるのだ。突然胸を
灼
(
や
)
かれるような気がした。
磽确
(
こうかく
)
たるスコットランドの山々、ヒースの茂み。湖。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
先
(
ま
)
ず予が先年寒中滞岳中の状況を叙述して、いささか参考に供する所あらんとす、既に人の知る如く、富士山巓は
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
一枚だになき、極めて
磽确
(
こうかく
)
なる土地なれば、越年八
月
(
つき
)
間
(
かん
)
の準備は
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
木戸から、寺男の
皺面
(
しわづら
)
が、墓地下で口をあけて、もう
喚
(
わめ
)
き、冷めし草履の
馴
(
な
)
れたもので、これは
磽确
(
こうかく
)
たる
径
(
みち
)
は踏まない。草土手を踏んで横ざまに、
傍
(
そば
)
へ来た。
縷紅新草
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
磽确
(
こうかく
)
な土地と荒れた住家と生気に乏しい人間とに接して、私が勝手に想像していた美しい山村の幻影は忽ち破られてしまった。此処では馬鈴薯が常食だそうである。
奥秩父
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
漢
(
かん
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
天漢
(
てんかん
)
二年秋九月、
騎都尉
(
きとい
)
・
李陵
(
りりょう
)
は歩卒五千を率い、
辺塞遮虜鄣
(
へんさいしゃりょしょう
)
を発して北へ向かった。
阿爾泰
(
アルタイ
)
山脈の東南端が
戈壁沙漠
(
ゴビさばく
)
に没せんとする辺の
磽确
(
こうかく
)
たる丘陵地帯を縫って北行すること三十日。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
馬二頭が、鼻あらしを霜夜にふつふつと吹いて
曳
(
ひ
)
く囃子屋台を
真中
(
まんなか
)
に、
磽确
(
こうかく
)
たる石ころ
路
(
みち
)
を、坂なりに、大師
道
(
みち
)
のいろはの辻のあたりから、次第さがりに人なだれを打って来た。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぐるり山の鼻を左に廻って、小さな峡流をなしている広河内の橋を渡り、大豆などの作られた
磽确
(
こうかく
)
な畑の中を通り抜け、雑木林を出つ入りつ、飽きる程長い単調な路を二時間余も進んだ。
朝香宮殿下に侍して南アルプスの旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
絶壁の
磽确
(
こうかく
)
たる如く、壁に雨漏の線が入つた
処
(
ところ
)
に、すらりとかゝつた、
目覚
(
めざめ
)
るばかり
色好
(
いろよ
)
き
衣
(
きぬ
)
、
恁
(
かか
)
る
住居
(
すまい
)
に似合ない余りの思ひがけなさに、
媼
(
おうな
)
の
通力
(
つうりき
)
、
枯野
(
かれの
)
忽
(
たちま
)
ち
深山
(
みやま
)
に変じて、こゝに蓑の滝、壁の
巌
(
いわお
)
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
“磽确”の意味
《名詞》
石ころが多く痩せた土地。
(出典:Wiktionary)
磽
漢検1級
部首:⽯
17画
确
部首:⽯
12画
“磽”で始まる語句
磽地