トップ
>
石突
>
いしづき
ふりがな文庫
“
石突
(
いしづき
)” の例文
さて、かれは、これらの物象の漸層の最下底に身を落してゐる。軽装の青年紳士の、黒檀のステツキの
石突
(
いしづき
)
と均しく位してゐる。
俯瞰景
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
主人が岸へ這い上がろうとした時、
予
(
かね
)
て心得ている物置の中から、
石突
(
いしづき
)
の付いた物凄い
棹
(
さお
)
を取出し、思いきり上から突き落したに違いない
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は
面
(
かお
)
を見合せていた時に、廊下を渡って来た人、黒の紋付を着流して腰に両刀、それで九尺柄の槍の
石突
(
いしづき
)
で軽く廊下の板を突き鳴らしながら
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
矢田五郎左衛門は、槍の
石突
(
いしづき
)
で、錠前を二、三度突いた。錠が刎ねると一緒に、ぐわらっと、炭部屋の戸がひらく。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いわれあって、二人を待って、対の
手戟
(
てぼこ
)
の
石突
(
いしづき
)
をつかないばかり、洋服を着た、
毘沙門天
(
びしゃもんてん
)
、
増長天
(
ぞうちょうてん
)
という形で、五体を
緊
(
し
)
めて、殺気を含んで、
呼吸
(
いき
)
を詰めて、待構えているんでがしてな。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
ト、予ハ持ッテイルスネークウッドノステッキノ
石突
(
いしづき
)
ヲ示シ
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
主人が岸へ這ひ上がらうとした時、
豫
(
かね
)
て心得てゐる物置の中から、
石突
(
いしづき
)
の附いた物凄い
棹
(
さを
)
を取り出し、思ひきり上から突き落したに違ひない
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
米友が懐中から取り出した
笹穂
(
ささほ
)
は先生自身の工夫で、忽ちそれを杖の先に取りつけて、その穂を左の
掌
(
てのひら
)
で握って下へさげ、
石突
(
いしづき
)
をグッと上げて逆七三の構え
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
一箇の武者が、
喚
(
わめ
)
いて、一歩出た。突ッかけたのである。——が届かない。また一人出た。瀬兵衛の槍は、巻きこんで、叩き伏せ、
石突
(
いしづき
)
を返して後ろを突いた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三百
人
(
にん
)
ばかり、
山手
(
やまて
)
から
黒煙
(
くろけぶり
)
を
揚
(
あ
)
げて、
羽蟻
(
はあり
)
のやうに
渦卷
(
うづま
)
いて
來
(
き
)
た、
黒人
(
くろんぼ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづき
)
で、
濱
(
はま
)
に
倒
(
たふ
)
れて、
呻吟
(
うめ
)
き
惱
(
なや
)
む
一人々々
(
ひとり/\
)
が、
胴
(
どう
)
、
腹
(
はら
)
、
腰
(
こし
)
、
背
(
せ
)
、コツ/\と
突
(
つゝ
)
かれて、
生死
(
いきしに
)
を
驗
(
ため
)
されながら
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
おいッ! と呼びさまされたと思うと、誰か、自分の胸を、槍の
石突
(
いしづき
)
で小突いた者があったのである。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石突
(
いしづき
)
を握つて、フラ/\とくり出すと、家の中には
灯
(
あかり
)
が點いて居るんだから、苦もなく相手に逃出される、——待てよ、もう一度提灯を持つて來てくれよ、俺は此處で待つて居るから
銭形平次捕物控:282 密室
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
山手
(
やまて
)
から
黒煙
(
くろけぶり
)
を揚げて、
羽蟻
(
はあり
)
のやうに渦巻いて来た、
黒人
(
くろんぼ
)
の
槍
(
やり
)
の
石突
(
いしづき
)
で、浜に倒れて、
呻吟
(
うめ
)
き悩む一人々々が、胴、腹、腰、背、コツ/\と
突
(
つつ
)
かれて、
生死
(
いきしに
)
を
験
(
ため
)
されながら、
抵抗
(
てむかい
)
も成らず
裸
(
はだか
)
にされて
印度更紗
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、呶鳴りながら、槍の
石突
(
いしづき
)
を突きながら、踏み渡って、早くも築土のうえへしがみついた。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石突
(
いしづき
)
を握って、フラフラとくり出すと、家の中には
灯
(
あかり
)
が
点
(
つ
)
いているんだから、苦もなく相手に
逃出
(
にげだ
)
される、——待てよ、もういちど提灯を持って来てくれよ、俺はここで待っているから
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
叱咤と共に、その使者を、槍の
石突
(
いしづき
)
で突き倒し、ふたたび
阿修羅
(
あしゅら
)
となって、敵兵を迎えた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
石突
(
いしづき
)
に血が付いているじゃないか。よく見るがいい」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
畔
(
あぜ
)
に残っていた薩兵の一人が、槍の
石突
(
いしづき
)
で、彼の頭を、突き下ろした。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
石突
(
いしづき
)
に血が附いてゐるぢやないか。よく見るがいゝ」
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その槍を取って、わしの前へ、
石突
(
いしづき
)
を向けて渡された。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“石突”の解説
石突(いしづき)は、棒状の道具における、地面に突き立てる(接する)部位の呼称。
(出典:Wikipedia)
石
常用漢字
小1
部首:⽯
5画
突
常用漢字
中学
部首:⽳
8画
“石”で始まる語句
石
石鹸
石垣
石塊
石見
石燈籠
石榴
石膏
石楠花
石碑