異国いこく)” の例文
旧字:異國
しかし、本能寺ほんのうじへんとどうじに、異国いこく宣教師せんきょうしたちは信長というただひとりの庇護者ひごしゃをうしなって、この南蛮寺も荒廃こうはいしてしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けだし一由旬いちゆじゆん異国いこくの四十里なり、十二由旬ゆじゆんは日本道六十六里なり。一尺六寸の玉六十六里四方を照すは奇異きいといふべし。
あれは独逸ドイツほうから新荷しんにいたばかりだという種々いろいろ玩具おもちゃ一緒いっしょに、あの丸善まるぜんの二かいならべてあったもので、異国いこく子供こども風俗なりながらにあいらしく、格安かくやすで、しかも丈夫じょうぶ出来できていた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
うみのぞみながら、はるか、異国いこくそらしたで、この愉快ゆかい楽器がっきが、何人なんぴとかによってかなでられたり、また、この楽器がっきりひびくが、ちょうどいい月夜つきよで、まちなかあるいているひとたちが
楽器の生命 (新字新仮名) / 小川未明(著)
けだし一由旬いちゆじゆん異国いこくの四十里なり、十二由旬ゆじゆんは日本道六十六里なり。一尺六寸の玉六十六里四方を照すは奇異きいといふべし。
堺は当時の開港場かいこうじょうだったので、ものめずらしい異国いこく色彩しきさいがあふれていた。からや、呂宋ルソンや、南蛮なんばんの器物、織物などを、見たりもとめたりするのも、ぜひここでなければならなかった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
全体ぜんたい少しもくさらず、かたち今の船にことなるのみならず、金具かなぐを用うべき処みなくぢらひげを用ひて寸鉄すんでつをもほどこしたる処なし。木もまた何の木なるをべんずる者なく、おそらくは異国いこくの船ならんといへりとぞ。
全体ぜんたい少しもくさらず、かたち今の船にことなるのみならず、金具かなぐを用うべき処みなくぢらひげを用ひて寸鉄すんでつをもほどこしたる処なし。木もまた何の木なるをべんずる者なく、おそらくは異国いこくの船ならんといへりとぞ。