爆発ばくはつ)” の例文
旧字:爆發
こうしているうちに、とうとう、仕立屋したてやさんのかんしゃくだまが爆発ばくはつしました。仕立屋さんは仕立台したてだいあなからぬのきれをつかみだして
大津波おおつなみのうなる音、木のめりめりさける音、圧搾あっさくされた空気の爆発ばくはつする音、すさまじいうなり声がわたしたちをおびえさせた。
東京の方を見ると、臙脂色えんじいろそらに煙が幾条いくすじも真直に上って居る。一番南のが、一昨日火薬が爆発ばくはつして二十余名を殺傷さっしょうした目黒の火薬庫の煙だ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
さらに進んで青年の修養を論ずる段になると、かれの佩剣のさやが、たえ間なく演壇の床板をついて、いさましい言葉の爆発ばくはつ伴奏ばんそうの役割をつとめた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
雲がすっかり消えて、新らしくかれたはがねの空に、つめたいつめたい光がみなぎり、小さな星がいくつか連合れんごうして爆発ばくはつをやり、水車の心棒がキイキイ云います。
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
まるでそれは、低い不吉な雲が頭上にれこめたみたいな気持で、わたしはその重圧をひしひしと感じながら、それが爆発ばくはつする時を、今か今かと待ち構えていた。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
「ありがとう、ありがとう。だが、おじさん——じゃあない可児さま。あなたも早くここをりて、どこかへ逃げださないと、もうそろそろ煙硝えんしょうの山が爆発ばくはつしますよ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おかあさん、あの爆発ばくはつした三宅島みやけじまより、もっととおいんですね。」と、義夫よしおは、いいました。
ある夜の姉と弟 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ポン、ポン! と、花火は空高くあがって、大きな音をたてて、爆発ばくはつしました。
やにわにぎらぎらと光って相手をまともに見つめ、その厚い真赤な唇からは、青竹をわるようなんだ調子の高い声が、つづけざまに爆発ばくはつするのだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
やはりそのまん中には上から下へかけて銀河ぎんががぼうとけむったようなおびになって、その下の方ではかすかに爆発ばくはつしてげでもあげているように見えるのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そうして不意ふいにとりでの郭内くるわないにあらわれ、岩くだきの強薬ごうやく爆発ばくはつさせて、とりでにるすいをしているやつらがあわてさわぐまに、小太郎山こたろうざんを乗っとってしまう! むろん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ただベスビオの山だけは、あいもかわらず永遠の讃歌さんかをとどろかしていました。その一つ一つの詩句を、人間は新しい爆発ばくはつと呼んでいるのです。わたしたちはビーナスの神殿しんでんに行きました。
爆発ばくはつだろうか、なんだろうか、ちっともわからなかった。
きっとどこかの火山が爆発ばくはつをやった。その細かな火山灰が正しく上層の気流に混じて地球を包囲しているな。けれどもそれだからと云って我輩のこの追跡には害にならない。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
そして、それが群衆ぐんしゅうとなると、いっそう露骨ろこつにぶえんりょに爆発ばくはつしてくるのだった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう一度笑いが爆発ばくはつした。しかしだれの笑い声も、いかにも苦しそうだった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
その火山灰かざんばいは西の二れつか三列の石英粗面岩せきえいそめんがんの火山が、やっとしずまったところではありましたが、やっぱり時々噴火ふんかをやったり爆発ばくはつをしたりしていましたので、そこからって来たのでした。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それからごくしずかに何か云いそうに口をしましたがそのことばはなかなか出て来ませんでした。みんなはしんとなりました。その人は突然とつぜん爆発ばくはつするようにさけびました。二三度どもりました。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
サンムトリがその影響えいきょうを受けて火柱高く第二の爆発ばくはつをやりました。
そのとき出ているそらがそのまま楕円形だえんけいのなかにめぐってあらわれるようになってりやはりそのまん中には上から下へかけて銀河がぼうとけむったような帯になってその下の方ではかすかに爆発ばくはつして湯気でもあげているように見えるのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)