燕麦からすむぎ)” の例文
旧字:燕麥
最初ワシリは部落の自治団体から小屋を一つ、牡牛を一疋貰つて、その年に燕麦からすむぎの種を六ポンド貰つた。為合しあはせとその年は燕麦の収穫が好かつた。
第九 ロールオーツの粥 は燕麦からすむぎつぶしたもので我邦わがくにの潰し麦に似ております。味はオートミルよりも少し軽くなりますがこれは洗わないで湯煎ゆせんにします。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「あまり燕麦からすむぎを食わせすぎたペガソスに乗っていなかったら」、もっといい音楽家になれたはずだった。
それは田舎いなかなつのいいお天気てんきことでした。もう黄金色こがねいろになった小麦こむぎや、まだあお燕麦からすむぎや、牧場ぼくじょうげられた乾草堆ほしくさづみなど、みんなきれいなながめにえるでした。
学校の教師仲間の家でも、いくらか畠のあるところへは、この男が行って野菜の手入をしてる。校長の家では毎年可成かなりな農家ほどに野菜を作った。燕麦からすむぎなども作った。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼れは道の向側の立樹たちきの幹に馬をつないで、燕麦からすむぎと雑草とを切りこんだ亜麻袋を鞍輪くらわからほどいて馬の口にあてがった。ぼりりぼりりという歯ぎれのいい音がすぐ聞こえ出した。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
燕麦からすむぎや矢車草のはえている野を喜んで散歩し、世の中の事件とほとんど同じくらいに雲のことを気にしていた。彼の精神は人間の方面と神の方面と、二つの態度を有していた。
路の片側にはやや平らかなる土地ありて、野生の燕麦からすむぎをもって深くおおわれたり。
………四五日にして小屋の木材を切り取り、樹皮を剥ぎて屋根とし、且つ四囲をかこい、あるいは敷きて座敷とせり。………夫れより開墾して六月十八日迄に一反半を開き、燕麦からすむぎ牧草を蒔付まきつけたり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
それから燕麦からすむぎはたに蹈み込んでそこに寝て休んだ。
麦と燕麦からすむぎ椰子やしの実と
燕麦からすむぎの畑を。
緑の種子 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
... 飲むものはまた前の珈琲こーひーに戻ります」大原「七日目は」お登和「ロールオーツと申して燕麦からすむぎつぶしたものを ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
あます所は燕麦からすむぎがあるだけだったが、これは播種時たねまきどきから事務所と契約して、事務所から一手に陸軍糧秣廠りょうまつしょうに納める事になっていた。その方が競争して商人に売るのよりも割がよかったのだ。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼の足は往時むかし自分の先生であったという学校の校長の住居すまいの方へ向いた。古い屋敷風の門を入って、裏口へ廻ってみると、向の燕麦からすむぎを植えた岡の上に立ってしきりと指図さしずをしている人がある。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「さて、今後は燕麦からすむぎにかかることにしよう。」
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
第五 オートミルの粥 西洋には我邦わがくにの粥に似た食物が沢山あります。先ずオートミルといって燕麦からすむぎ挽割ひきわりにしたようなものが鑵入かんいり袋入ふくろいりとになって食品屋に来ております。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
雑穀屋からは、燕麦からすむぎが売れた時事務所から直接に代価を支払うようにするからといって、麦や大豆の前借りをした。そして馬力を頼んでそれを自分の小屋に運ばして置いて、賭場とばに出かけた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
「ここへは燕麦からすむぎを作って見ました。私共の畠は学校の小使が作ってます」
岩石の間 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これは亜米利加風あめりかふう朝食あさめしで、オートミルとは西洋の燕麦からすむぎ挽割ひきわりにしたようなもの。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)