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無頓着
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むとんちやく
ふりがな文庫
“
無頓着
(
むとんちやく
)” の例文
「イヤ、
左様
(
さう
)
固く出られると
大
(
おほい
)
に閉口する——お互様ぢや」と、客は
無頓着
(
むとんちやく
)
に打ち笑ひ「知らぬ方でもないので、御邪魔に来ました」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
女
水滸伝
(
すいこでん
)
のやうに思はれたり、又
風情
(
ふぜい
)
ごのみのやうに言はれたりしたやうであるが実際はもつと素朴で
無頓着
(
むとんちやく
)
であつたのだらうと想像する。
智恵子抄
(新字旧仮名)
/
高村光太郎
(著)
是
(
これ
)
は
决
(
けつ
)
して
責任
(
せきにん
)
を
知
(
し
)
らぬ
譯
(
わけ
)
では
無
(
な
)
い、
又
(
ま
)
た
物事
(
ぶつじ
)
に
無頓着
(
むとんちやく
)
な
譯
(
わけ
)
でありません。
唯
(
た
)
だ
習慣上
(
しふくわんじやう
)
の
缺點
(
けつてん
)
であらうと
思
(
おも
)
ひます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
次の時代に生れて来る若いものゝ身の
上
(
うへ
)
を
極
(
きは
)
めて
無頓着
(
むとんちやく
)
に
訓戒
(
くんかい
)
批評する事のできる便利な性質を持つてゐるものだ
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
石炭の煙を吸ふのがどれほど健康に害であるか、また毎日多くの怪我人が出来るほどの危険の伴ふ仕事に対して、私は殆ど
無頓着
(
むとんちやく
)
であつた。全く盲目的であつた。
ある職工の手記
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
▼ もっと見る
算術の四則には
長
(
た
)
けて居り、それを実の
算盤
(
そろばん
)
に応用することにも
巧
(
たくみ
)
ではあつたけれども、美に就ては
如何
(
いか
)
なる種類のそれにも一向
無頓着
(
むとんちやく
)
な、当主の小学校長をたぶらかして
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
「ウム、
彼
(
あ
)
の松島の一件か」と、大和は例の
無頓着
(
むとんちやく
)
に言ひ捨てしが、
忽
(
たちま
)
ち心着きてや両手に頭
抱
(
かゝ
)
へつ「やツ」と言ひつゝお花を見やる
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
乍去
(
さりながら
)
日本人
(
にほんじん
)
從來
(
じゆうらい
)
の
習慣
(
しふくわん
)
でありませうが、
斯樣
(
かやう
)
な
事
(
こと
)
に
極
(
き
)
めて
無頓着
(
むとんちやく
)
が
多
(
おほ
)
い。
責任
(
せきにん
)
を
重
(
おも
)
んずるの
念
(
ねん
)
に
乏
(
とぼ
)
しい。
獨立
(
どくりつ
)
して
物
(
もの
)
を
治
(
をさ
)
めて
行
(
ゆ
)
くといふ
事
(
こと
)
が
少
(
すこ
)
しも
無
(
な
)
い。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
あの
甘
(
あま
)
くして
柔
(
やはら
)
かく、
忽
(
たちま
)
ちにして
冷淡
(
れいたん
)
な
無頓着
(
むとんちやく
)
な運命の手に
弄
(
もてあそ
)
ばれたい、と
云
(
い
)
ふ
止
(
や
)
み
難
(
がた
)
い空想に
駆
(
か
)
られた。空想の
翼
(
つばさ
)
のひろがるだけ、春の青空が以前よりも青く広く目に
映
(
えい
)
じる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
さうしてそんなことには無神経なほど
無頓着
(
むとんちやく
)
な彼の妻が、その子供たちに雨降りのなかを、お豆腐を買つて来いの、お砂糖がなくなつたのと言つては、あまりしげしげ用事に使ふのを見ると
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
去れど芳子は一向
無頓着
(
むとんちやく
)
に、大勝利を報告する将軍の如くぞ勇める「姉さん、私、今ま
可
(
い
)
いことを聴いてよ、篠田さんは
到頭
(
たうとう
)
縛
(
しば
)
られて、牢屋へ行きなさるんですと」
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
頓
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
着
常用漢字
小3
部首:⽬
12画
“無頓”で始まる語句
無頓著