-
トップ
>
-
火藥
>
-
くわやく
地蜂の
巣を
取りに
行くものは、
巣の
出入口へ
火藥を
打ち
込んで、
澤山な
親蜂が
眼を
廻して
居る
間に
獲物を
手に
入れるのだと
聞きました。そして
巣を
持つて
逃げ
歸るのだと
聞きました。
歩兵は
二人共、
其縮れた
髮の
毛に
殘らず
火藥を
仕込んで
居るやうに
愛ちやんは
思ひました。
愛ちやんは
何も
彼も
不思議で
堪らず、
森の
外に
這ひ
出して、
聞ゆる
事もやと
耳を
欹てました。
卿の
戀の
盟約は
内容の
無い
空誓文、なりゃこそ
養育まうと
誓うた
戀をも
殺してのけうと
爲やるのぢゃ、
卿の
分別は
姿や
戀の
飾ぢゃが、
本體が
善うないので
不具となり、
愚な
卒が
藥筐の
火藥のやうに
砲あり。
劔あり。
火藥あり。