澁谷しぶや)” の例文
新字:渋谷
これえらい!……畫伯ぐわはく自若じじやくたるにも我折がをつた。が、御當人ごたうにんの、すまして、これからまた澁谷しぶやまでくゞつてかへるとふにはしたいた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ぐわつすゑであつた。府下ふか澁谷しぶやへんある茶話會さわくわいがあつて、工學士こうがくしせきのぞむのに、わたしさそはれて一日あるひ出向でむいた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「あゝ……いまも風説うはさをして、あんじてました。お住居すまひ澁谷しぶやだが、あなたは下町したまちへお出掛でかけがちだから。」
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
うやつて、奴凧やつこだこ足駄あしだ穿いて澁谷しぶやちたやうに、ふらついてるのも、つまこの手紙てがみのためで、……それなか文句もんくようではありません——ふみがらの始末しまつなんです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
わたしいきをついてつた、八千代やちよさんがたのである、四谷坂町よつやさかまち小山内をさないさん(阪地滯在中はんちたいざいちう)の留守見舞るすみまひに、澁谷しぶやからなすつたとふ。……御主人ごしゆじんをんな弟子でしが、提灯ちやうちんつて連立つれだつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)