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滾々
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こん/\
ふりがな文庫
“
滾々
(
こん/\
)” の例文
関所は廃れ、街道には草蒸し、交通の要衝としての箱根には、昔の面影はなかつたけれども、
温泉
(
いでゆ
)
は
滾々
(
こん/\
)
として湧いて尽きなかつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
心の泉を汲んで汲んで汲み干して了ふと、あとから新しい泉が
滾々
(
こん/\
)
として湧いて来ると言ふが、それも矢張さうした異常なる心理である。
生滅の心理
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
藝妓、
幇間
(
たいこ
)
の騷いだのも無理はありません。大村兵庫の左の眼に
楊弓
(
やうきう
)
の矢が眞つ直ぐに突立つて、血潮は
滾々
(
こん/\
)
として頬から襟へ滴つて居るではありませんか。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頭
(
あたま
)
の
徃來
(
わうらい
)
を
通
(
とほ
)
るものは、
無限
(
むげん
)
で
無數
(
むすう
)
で
無盡藏
(
むじんざう
)
で、
決
(
けつ
)
して
宗助
(
そうすけ
)
の
命令
(
めいれい
)
によつて、
留
(
と
)
まる
事
(
こと
)
も
休
(
やす
)
む
事
(
こと
)
もなかつた。
斷
(
た
)
ち
切
(
き
)
らうと
思
(
おも
)
へば
思
(
おも
)
ふ
程
(
ほど
)
、
滾々
(
こん/\
)
として
湧
(
わ
)
いて
出
(
で
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかしながら、自分の胸の中にある秘密の井戸から
滾々
(
こん/\
)
と湧き上って来る快感が、少くとも病的の性質のものであることは、おぼろげながら気がついたに違いない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
清
(
きよ
)
らかな
水
(
みづ
)
が
滾々
(
こん/\
)
と
泉
(
いづ
)
み
流
(
なが
)
れて、
其邊
(
そのへん
)
の
草木
(
くさき
)
の
色
(
いろ
)
さへ
一段
(
いちだん
)
と
麗
(
うる
)
はしい、
此處
(
こゝ
)
で
一休憩
(
ひとやすみ
)
と
腰
(
こし
)
をおろしたのは、かれこれ
午後
(
ごゝ
)
の五
時
(
じ
)
近
(
ちか
)
く、
不思議
(
ふしぎ
)
なる
響
(
ひゞき
)
は
漸
(
やうや
)
く
近
(
ちか
)
くなつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
日を照りかへして白く
晃
(
きら
)
めく岩の山、見るだに
咽喉
(
のんど
)
のいらく土の家、見るもの
尽
(
こと/″\
)
く唯渇きに渇きて、旅人の気も遠く目も
眩
(
くら
)
まんとする時、こゝに活ける水の泉あり、
滾々
(
こん/\
)
として岩間より湧き出づ。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
池には天下第一泉の清い水が
滾々
(
こん/\
)
として湧き出してゐる。日は
麗
(
うらゝ
)
かに照つてゐる。実際、唐扇にでも書いてありさうなシインであつたのを記憶してゐる。
花二三ヶ所
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
自分が云おう云おうとして云えなかった物が、其処に
滾々
(
こん/\
)
として
泉
(
いずみ
)
の如く流れて居るのを会得する。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
帝國軍人
(
ていこくぐんじん
)
の
鮮血
(
せんけつ
)
の
滾々
(
こん/\
)
と
迸
(
とばし
)
りかゝるのも
見
(
み
)
えた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
美しい清水の
滾々
(
こん/\
)
として湧き出してゐるのを、その湧き出して来てゐる水の明るい日影にチラチラとプラチナの線の様に動いてゐるのを、水の中にある小石が或は白く或は黒く、或は青く
磯清水
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
けれども依然として不安なので、今度はソッと台所へ忍び込み、樽の口から冷めたい液を腹の中へ
滾々
(
こん/\
)
と注ぎ込んだ。するとカーッと暖まって体中に凍り付いて居た恐怖が次第々々に溶けて行った。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
滾
漢検1級
部首:⽔
14画
々
3画
“滾”で始まる語句
滾
滾滾
滾転
滾〻
滾沸