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滅切
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めつきり
念佛の
濁つた
聲も
明るく
響いた。
地上を
掩うた
霜が
滅切と
白く
見えて
寮の
庭に
立てられた
天棚の
粧飾の
赤や
青の
紙が
明瞭として
來た。
自體人間の生存税は
滅切高價になツて來た、
殊に
吾々藝術家は
激戰の
最中で
平和演説を
行ツてゐるやうなもんだから、
存立が
危い!………これからは誰が俺の
腑を
充して呉れるんだ。
それを
晩秋の
空が
悉皆持ち
去るので
滅切と
冴える
反對に
草木は
凡てが
乾燥したりくすんだりして
畢ふのに
相違ないのである。
一
日餘處へ
行つて
居た
日は
滅切と
少くなつて
居るのを
或時ふと
發見して
少し
不快に
且變に
思ひつゝあつた。