“法(はう)” の例文
伯父樣(おぢさま)に疵(きず)のつかぬやう、我身(わがみ)が頓死(とんし)する法(はう)は無(な)きかと目(め)は御新造(ごしんぞ)が起居(たちゐ)にしたがひて、心(こゝろ)はかけ硯(すゞり)のもとにさまよひぬ。
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かけ硯(すゞり)を此處(こゝ)へと奧(おく)の間(ま)より呼(よ)ばれて、最早(もはや)此時(このとき)わが命(いのち)は無(な)き物(もの)、大旦那(おほだんな)が御目通(おめどほ)りにて始(はじ)めよりの事(こと)を申、御新造(ごしんぞ)が無情(むじやう)そのまゝに言(い)ふてのけ、術(じゆつ)もなし法(はう)もなし正直(しやうぢき)は我身(わがみ)の守(まも)り
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
下座敷(したざしき)はいまだに客(きやく)の騷(さわ)ぎはげしく、お力(りき)の中座(ちうざ)をしたるに不興(ぶきよう)して喧(やかま)しかりし折(おり)から、店口(みせぐち)にておやお皈(かへ)りかの聲(こゑ)を聞(き)くより、客(きやく)を置(おき)ざりに中坐(ちうざ)するといふ法(はう)があるか、皈(かへ)つたらば此處(こゝ)へ來(こ)い
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)