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水飴
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みずあめ
ふりがな文庫
“
水飴
(
みずあめ
)” の例文
それも縁であろう。越後
巫女
(
みこ
)
は、
水飴
(
みずあめ
)
と荒物を売り、軒に
草鞋
(
わらじ
)
を
釣
(
つる
)
して、ここに
姥塚
(
うばづか
)
を築くばかり、あとを
留
(
とど
)
めたのであると聞く。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
水飴
(
みずあめ
)
が口のはたにくっついていくらなめてもべたべたして気色が悪いと、覚めたあとまでなお口の回りを指先でこすったりした。
暦
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
見馴れない四十
恰好
(
がっこう
)
の女が、姉の
後
(
うしろ
)
から
脊中
(
せなか
)
を
撫
(
さす
)
っている傍に、一本の
杉箸
(
すぎばし
)
を添えた
水飴
(
みずあめ
)
の入物が盆の上に載せてあった。女は健三に会釈した。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
水飴
(
みずあめ
)
色のうららかな春の日の中に両岸の桜は、貝殻細工のように、公園の両側に掻き付いて、漂白の白さで咲いている。
娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それでも
敷居
(
しきい
)
をまたぐと土間のすみの
竈
(
かまど
)
には火が暖かい光を放って
水飴
(
みずあめ
)
のようにやわらかく
撓
(
しな
)
いながら燃えている。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
料理場を飛び出すと、まるで
巫女
(
ウイッチ
)
のように宙を飛んで家へ駆けてゆき、お台所から鶏卵と
水飴
(
みずあめ
)
と
乾杏子
(
ほしあんず
)
をひっ
攫
(
さら
)
って、えらい勢いで駆け戻って来ました。
キャラコさん:08 月光曲
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
あとは重湯や
水飴
(
みずあめ
)
を与えるのだが、それを薄めたり
温
(
あたた
)
めたりする加減が、男の手ではなかなか
旨
(
うま
)
くゆかないし、
襁褓
(
むつき
)
や肌着の取替え、病人の看護、炊事、洗濯など
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
水飴
(
みずあめ
)
などを与えてもいいという許しが、順に一日か二日おいては出るころであったが、その以前でも飲食物その他何によらず、患者はおそろしく意地が曲っていた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今まで運動にも出ていたものがバッタリと出なくなり、ずっと寝込んでしまうようになると、その監房には看病夫が割箸に
水飴
(
みずあめ
)
をまきつけたのを持って入る姿が見られた。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
暗黒の底に
水飴
(
みずあめ
)
のように流れ拡がる夥しい平炉の白熱鉱流は、広場の平面に落ち散っている紙屑、
藁屑
(
わらくず
)
、
鋸屑
(
おがくず
)
、塗料、油脂の類を片端から燃やしつつグングンと流れ拡がって行く。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
アメガタ
水飴
(
みずあめ
)
は早く起り、これを固形にする技術は久しく普及しなかった。飴形という言葉は、後者が子供にも親にも珍重せられた名残で、西国は一般にこの名をもって今も行われている。
食料名彙
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
水飴
(
みずあめ
)
春 第二十六 名物
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
歌はすこぶる
悠長
(
ゆうちょう
)
なもので、夏分の
水飴
(
みずあめ
)
のように、だらしがないが、句切りをとるためにぼこぼんを入れるから、のべつのようでも
拍子
(
ひょうし
)
は取れる。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夜なかの分は片口に絞って置いて呉れる、それを温めたり
水飴
(
みずあめ
)
を溶いたりして与えた。
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
水飴
(
みずあめ
)
のごとダラアと前に落ちようとするけに、元の肩の上へ引き戻し引き戻ししよったらその
中
(
うち
)
に済んだけに、思わずアーメンと云うたら、
涎
(
よだれ
)
がダラダラと袴へ落ちた、まあだ変な気持がする
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「寒いから部屋を
煖
(
あたた
)
めます」と云ったなり、上から煖炉の中を
見下
(
みおろ
)
した。火は薄い
水飴
(
みずあめ
)
の色に燃える。
藍
(
あい
)
と
紫
(
むらさき
)
が折々は思い出したように交って煙突の
裏
(
うち
)
へ
上
(
のぼ
)
って行く。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“水飴”の解説
水飴(みずあめ)は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料。ブドウ糖、麦芽糖、デキストリンなどの混合物で、主成分は酵素糖化水あめや麦芽水あめでは麦芽糖である。
(出典:Wikipedia)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
飴
漢検準1級
部首:⾷
13画
“水”で始まる語句
水
水際
水底
水溜
水上
水面
水晶
水嵩
水車
水瓶