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歿
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なく
ふりがな文庫
“
歿
(
なく
)” の例文
歿
(
なく
)
なつた子供の揺籃に倚懸つてゐる母親、楽園の門の
閾
(
しきゐ
)
に立てゐるエヴ、宝は盗まれて其跡に石の置いてあるのを見た吝嗇な男
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
じゃが弟はつい最近、左様あの庭で
歿
(
なく
)
なったと聞いた。もちろん、敵がこの島まで追撃して来たところで俺が悪いのではない。
サレーダイン公爵の罪業
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
そなたも
若
(
わか
)
いのに
歿
(
なく
)
なって、まことに
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なことであるが、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
はすべて
老少不定
(
ろうしょうふじょう
)
、
寿命
(
じゅみょう
)
ばかりは
何
(
な
)
んとも
致方
(
いたしかた
)
がない。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
この
古箏
(
こそう
)
の歴史についても
委
(
くわ
)
しかったのであろうが、それよりも、私は、なんとなくいやな予感がした。鼓村さんは、間もなく
歿
(
なく
)
なっているのだ。
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
又預り金を取られ申し訳が無いと切羽詰りに成りまして、あゝいうことに成りましたか、もう
歿
(
なく
)
なりますると、中々先の貸金は参りませんで、借財も多くございましたから、人様も
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
お
歿
(
なく
)
なりになったそうで、まことに御愁傷のことである。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「継子さんが
歿
(
なく
)
なつたのですか。」
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それから
人間
(
にんげん
)
が
歿
(
なく
)
なる
場合
(
ばあい
)
にも、
第
(
だい
)
一に
受附
(
うけつ
)
けてくださるのが、
矢張
(
やは
)
り
産土
(
うぶすな
)
の
神様
(
かみさま
)
で、
誕生
(
たんじょう
)
のみが
決
(
けっ
)
してそのお
受持
(
うけもち
)
ではないのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その後、直に父親を
歿
(
なく
)
なしてからも、十三、四から踊りの手ほどきをして、母親と二人で暮していけたのだがと、めずらしく身の上ばなしをしだした。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかし
良人
(
おっと
)
は
私
(
わたくし
)
よりも
先
(
さ
)
きに
歿
(
なく
)
なって
居
(
お
)
り、それに
又
(
また
)
神
(
かみ
)
さまが、
時節
(
じせつ
)
が
来
(
く
)
れば
逢
(
あ
)
わしてもやると
申
(
まう
)
されましたので、そちらの
方
(
ほう
)
の
断念
(
あきらめ
)
は
割合
(
わりあい
)
早
(
はや
)
くつきました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
父親が
歿
(
なく
)
なると、男振りのよい
忰
(
せがれ
)
たちは
直
(
じき
)
に店をつぶしてしまった——
尤
(
もっと
)
もそれには御維新の
瓦解
(
がかい
)
というものがあった
故
(
せい
)
もあろうが——二人の忰はありったけの遊びをして
旧聞日本橋:03 蕎麦屋の利久
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
きんぼうに連れられて、あんぽんたんが二絃琴のおしょさんの家にいった時分には、もう家元芦船も芦雪も
歿
(
なく
)
なっていた。
直門
(
じきもん
)
に、
芦質
(
ろしつ
)
、
芦洲
(
ろしゅう
)
、
芦総
(
ろそう
)
、
芦寿賀
(
ろすが
)
らが残っていた。
旧聞日本橋:18 神田附木店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「お
歿
(
なく
)
なんなすってからも、
居間
(
おへや
)
の前の庭は、当時そのままだから——」
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
会計検査院に出ていたお父さんが
歿
(
なく
)
なり、家督の弟
御
(
ご
)
が役の都合で地方にいるので、広い構えのなかに、ポツンと独りで暮している、若い時分は、詩文と、名筆で知られていた、浜節子という
朱絃舎浜子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“歿”の意味
《名詞》
(ボツ)死ぬこと。
《動詞》
(ボッする)死ぬ。
(出典:Wiktionary)
歿
漢検1級
部首:⽍
8画
“歿”を含む語句
御歿
死歿
歿後
歿年
病歿
戦歿
戦歿後
歿分暁
歿分暁漢
蘭斎歿後
身歿
陣歿