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款待
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もてな
ふりがな文庫
“
款待
(
もてな
)” の例文
先生は茶を入れて皆なを
款待
(
もてな
)
しながら、青田の時分に聞える非常に沢山な蛙の声、夕方に見える対岸の村落の灯の色などを語り聞かせた。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
始終七分身の態度で、
款待
(
もてな
)
しつづけ、決してかの女の正面に面と向き合わない夫人の様子に、かの女は不満を覚えて来た。
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
と、人々は、土間先の壁にかけてある
蓑笠
(
みのがさ
)
など見まわしつつ、そも吉野太夫が、どんな亭主ぶりで
款待
(
もてな
)
すことやらと、順に部屋へはいって行った。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おや/\、まあ
御珍
(
おめづ
)
らしい
事
(
こと
)
」と
云
(
い
)
つて、
何時
(
いつ
)
もよりは
愛想
(
あいそ
)
よく
宗助
(
そうすけ
)
を
款待
(
もてな
)
して
呉
(
く
)
れた。
其時
(
そのとき
)
宗助
(
そうすけ
)
は
厭
(
いや
)
なのを
我慢
(
がまん
)
して、
此
(
この
)
四五
年來
(
ねんらい
)
溜
(
た
)
めて
置
(
お
)
いた
質問
(
しつもん
)
を
始
(
はじ
)
めて
叔母
(
をば
)
に
掛
(
か
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから一層心をこめて白雲を
款待
(
もてな
)
しました。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
主婦
(
かみさん
)
は
家
(
うち
)
の内でも手拭を冠り、藍染真綿を亀の甲のやうに着て、茶を出すやら、座蒲団を勧めるやら、
金米糖
(
こんぺいたう
)
は古い皿に入れて
款待
(
もてな
)
した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「おやおや、まあ御珍らしい事」と云って、いつもよりは
愛想
(
あいそ
)
よく宗助を
款待
(
もてな
)
してくれた。その時宗助は
厭
(
いや
)
なのを我慢して、この四五年来溜めて置いた質問を始めて叔母に掛けた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
節子は正月らしい着物に
着更
(
きか
)
えて根岸の伯母を
款待
(
もてな
)
していた。何となく荒れて見える節子の顔の
肌
(
はだ
)
も、岸本だけにはそれが
早
(
は
)
や感じられた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
話好きな姑は一人で
喋舌
(
しやべ
)
つた。お妻は茶を入れて丑松を
款待
(
もてな
)
して居たが、
流石
(
さすが
)
に思出したことも有ると見えて
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
二階座敷で時折樂しい
酒宴
(
さかもり
)
のあつたことも、客を
款待
(
もてな
)
すことの好きな姉の夫の氣風をあらはして居りました。
幼き日:(ある婦人に与ふる手紙)
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
三吉は
新
(
あらた
)
に妹が一人
増
(
ふ
)
えたことをめずらしく思った。読書の余暇には、彼も家のものの相手に成って、この妹を
款待
(
もてな
)
そうとした。お雪は写真の箱を持出した。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分と同年配の人を見ると同じ心持で、国から到来した茶でも入れて年下な岡を
款待
(
もてな
)
そうとしていた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
まだ
幼少
(
ちいさ
)
な泉太は着物を
着更
(
きか
)
えさせられて、それらの人達の間を嬉しそうに歩き廻っている。皆を
款待
(
もてな
)
そうとする母親に抱かれて、乳房を吸っている繁もそこに居る。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
どうしてこんな田舎へ来てくれたかなどと、
挨拶
(
あいさつ
)
も如才ない。今度の奥さんはミッション・スクウルを出た婦人で、先生とは大分年は違うが、取廻しよく皆なを
款待
(
もてな
)
した。
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
名高い
歌妓
(
うたひめ
)
が
黒繻子
(
くろじゅす
)
の
襟
(
えり
)
を掛けて、素足で客を
款待
(
もてな
)
したという父の若い時代を
可懐
(
なつか
)
しく思った。しばらく彼は、
樺太
(
からふと
)
で難儀したことや、青森の
旅舎
(
やどや
)
で
煩
(
わずら
)
ったことを忘れた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「さ、
何卒
(
どうか
)
おかえなすって下さい」と、旧い小泉の家風を思わせるように、お倉は
款待
(
もてな
)
した。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「豊世さんの許でも、御一人位御出来に成っても……」とお雪は茶を入れて
款待
(
もてな
)
しながら。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
木製の自在鍵に掛けた
鉄瓶
(
てつびん
)
の湯も
沸々
(
ふつ/\
)
と煮立つて来たので、叔母は茶を入れて
款待
(
もてな
)
さうとして、急に——まあ、記憶といふものは妙なもので、長く/\忘れて居た昔の習慣を思出した。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
翌日
(
あくるひ
)
、原は午前のうちに訪ねて来た。相川の家族はかわるがわる出て、この珍客を
款待
(
もてな
)
した。七歳になる可愛らしい女の児を始め、四人の子供はめずらしそうに、この
髭
(
ひげ
)
の叔父さんを
囲繞
(
とりま
)
いた。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“款待”の意味
《名詞》
款 待(かんたい)
心を込めてもてなすこと。
(出典:Wiktionary)
款
常用漢字
中学
部首:⽋
12画
待
常用漢字
小3
部首:⼻
9画
“款待”で始まる語句
款待顔
款待振