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極印
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ごくいん
ふりがな文庫
“
極印
(
ごくいん
)” の例文
丸にワの字は出羽様の
極印
(
ごくいん
)
が打ってあるとも知らずに、それからただちに辻駕籠を拾って六郷の渡船場まで走らせ、川を越せば川崎
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
身扮
(
みなり
)
もなか/\洒落れたもので、無駄飯を食ふ人間の淺ましい贅澤さが、死の
極印
(
ごくいん
)
を
捺
(
お
)
されてまでも、人の眉を
顰
(
ひそ
)
めさせます。
銭形平次捕物控:202 隠し念仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それにとうにするはずの殉死をせずにいた人間として
極印
(
ごくいん
)
を打たれたのは、かえすがえすも口惜しい。自分はすすぐことの出来ぬ汚れを身に受けた。
阿部一族
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その切込みはまだそんなに深くはありませんでしたけれど、
退引
(
のっぴき
)
ならぬ破牢の
極印
(
ごくいん
)
であることは確かであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金物の彫りの方では、
唐草
(
からくさ
)
の
地彫
(
じぼ
)
り、唐草彫り、
蔓
(
つる
)
彫り、コックイ(
極印
(
ごくいん
)
)蔓などで地はいずれも
七子
(
ななこ
)
です。
幕末維新懐古談:07 彫刻修業のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
その古い色を見ると、木村の父の
太
(
ふと
)
っ
腹
(
ぱら
)
な鋭い性格と、
波瀾
(
はらん
)
の多い
生涯
(
しょうがい
)
の
極印
(
ごくいん
)
がすわっているように見えた。木村はそれを葉子の用にと残して行ったのだった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
その矢先きへ、綾衣のひたいに剣難の
極印
(
ごくいん
)
が打たれたと聞いては、彼がおびえたのも無理はなかった。
箕輪心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
呼出
(
よびいだ
)
され一通り尋ねらるゝに
若
(
わか
)
い者左吉重次郎千次郎の三人
手負
(
ておひ
)
の趣き又盜まれし千兩は一昨日
蓮池
(
はすいけ
)
御藏より受取候金子にて殘らず私し方の
極印
(
ごくいん
)
を打置候と見本の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
問屋筋のかたぎのうちでは、大きな、
極印
(
ごくいん
)
のような判をベタベタと押した。実印も
黒色
(
くろ
)
だった。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
つまり
下請
(
したうけ
)
制度で、請負配下が鋳造した判金を、金銀改役
後藤庄三郎
(
ごとうしょうざぶろう
)
が検定
極印
(
ごくいん
)
をおして、はじめて通用することになっていたが、元禄八年に、幕府の財政の窮迫を救うため
顎十郎捕物帳:07 紙凧
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
……途端に、その界隈、くッきりと、影あざやかに「夏」の
極印
(
ごくいん
)
がうたれたのである。
浅草風土記
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
守宮
(
やもり
)
の血で
二
(
に
)
の
腕
(
うで
)
に
極印
(
ごくいん
)
をつけられるまでも、膝に此の薬を塗られて
何
(
ど
)
うしよう。
処方秘箋
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ故に派手は品質の
検校
(
けんこう
)
が行われる場合には、往々趣味の下劣が暴露されて下品の
極印
(
ごくいん
)
を押されることがある。地味は原本的に消極的対他関係に立つために「いき」の有する媚態をもち得ない。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
「あれは正月の手間の払い残りがあったのをくだすったんだ。ホラ見ろ、丸にワの字、松平出羽守様の
極印
(
ごくいん
)
が打ってあらア」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
極印
(
ごくいん
)
入りの五千兩の金は、うつかり隱せないが、千兩箱の中へなら、極印入りでも隱せる、千兩箱の中に小判を隱す、——うまい事を考へたものだな
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
請
(
うけ
)
に來た時十三兩三分の金は
能
(
よく
)
改めしなるべし何ぞ
極印
(
ごくいん
)
にても有しや
何
(
どう
)
ぢやと申さるゝに久兵衞イヤ何も極印は御座なく候へ
共
(
ども
)
渠
(
かれ
)
の身分にて一夜の
中
(
うち
)
に金の出來る
筈
(
はず
)
は是なしと同じ事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
公然幕府の御用壮士と
極印
(
ごくいん
)
を
捺
(
お
)
されることを本意なりとせざるものがある
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そしたら、男の
心中
(
しんじゅう
)
の
極印
(
ごくいん
)
打ったも同じ事、喜んだかて
可
(
い
)
いのどす。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「改め役へ差上げて
極印
(
ごくいん
)
を打つ前の、吹き立ての小判ばかり百両包みました。あれを一枚でも使えば足が付きます」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なんでも、東海道三島の宿で、浅草三間町の鍛冶屋富五郎てエ野郎が
飯盛
(
めしもり
)
の女を買って金をやったとこがお前、その小判がまえから廻状のまわっていた丸にワの字の
極印
(
ごくいん
)
つきだからたまらねえや。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
さめと存じ候處其金は
目印
(
めじるし
)
の
極印
(
ごくいん
)
ありしとは夢にも存じ申さず小兵衞が
遣
(
つか
)
ひ候より事
顯
(
あらは
)
れ斯の
仕合
(
しあはせ
)
に相成候段是ぞ
天罰
(
てんばつ
)
にて恐れ入奉り候と少しも
未練
(
みれん
)
なく一々白状に及びける故大岡殿
神妙
(
しんめう
)
なりと申され又小兵衞に向はれ只今仁左衞門が申に相違なきやと尋ねらるゝに小兵衞も
是非
(
ぜひ
)
なしと
覺悟
(
かくご
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「改め役へ差上げて
極印
(
ごくいん
)
を打つ前の、吹き立ての小判ばかり百兩包みました。あれを一枚でも使へば足が付きます」
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
出して居るといふことはあるまい、裏側には
極印
(
ごくいん
)
があるから、丁寧に一枚づつ表側を上にして並べ、俺が見て居る前でザクザクとやつたんだ、裏側の極印を見せない手品だ
銭形平次捕物控:273 金の番
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「四文錢は額に當つたに違ひない、
極印
(
ごくいん
)
を打つてあるから、めぐり逢へばきつとわかるよ」
銭形平次捕物控:263 死の踊り子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その二千兩の小判には一々
極印
(
ごくいん
)
が打つてありますから、其の儘に通用しませんが、兎も角神津右京に取つては家にも身にも代へ難き大事件で、此の二十日迄に手に戻らなければ
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その二千両の小判にはいちいち
極印
(
ごくいん
)
が打ってありますから、そのままに通用しませんが、ともかく神津右京にとっては家にも身にも代え難き大事件で、この二十日までに手に戻らなければ
銭形平次捕物控:148 彦徳の面
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「金座の後藤が、勘定奉行へ送つて
極印
(
ごくいん
)
を打つて貰ふ、吹き立ての小判が六千兩、
常盤橋
(
ときはばし
)
外で、車ごと奪られた、其時人足が二人、役人が一人斬られたが、これもまた品も下手人も、現れない」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お霜は
極印
(
ごくいん
)
のない小判百兩を平次の前へ押並べます。
銭形平次捕物控:043 和蘭カルタ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「迷子札の
極印
(
ごくいん
)
さ」
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
極
常用漢字
小4
部首:⽊
12画
印
常用漢字
小4
部首:⼙
6画
“極印”で始まる語句
極印屋