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枯萩
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かれはぎ
椿の
梢には、つい
此のあひだ
枯萩の
枝を
刈つて、その
時引殘した
朝顏の
蔓に、
五つ
六つ
白い
實のついたのが、
冷く、はら/\と
濡れて
行く。
今朝庭を歩いて居ると、眼が
一隅に走る瞬間、はッとして彼は立とまった。
枯萩の枝にものが光る。
刈らるゝを待つ
枯萩の
風情かな
枯萩の
一叢が、ぴったりと
弓形に地に
平伏して居る。余は思わず声を立てゝ笑った。
紺青の
海、
千仭の
底よりして
虹を
縱に
織つて
投げると、
玉の
走る
音を
立てて、
俥に、
道に、さら/\と
紅を
掛けて
敷く
木の
葉の、
一つ/\
其のまゝに
海の
影を
尚ほ
映して、
尾花、
枯萩も
青い。