枯萩かれはぎ)” の例文
椿つばきこずゑには、ついのあひだ枯萩かれはぎえだつて、そのとき引殘ひきのこした朝顏あさがほつるに、いつしろのついたのが、つめたく、はら/\とれてく。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今朝庭を歩いて居ると、眼が一隅いちぐうに走る瞬間、はッとして彼は立とまった。枯萩かれはぎの枝にものが光る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
刈らるゝを待つ枯萩かれはぎ風情ふぜいかな
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
枯萩かれはぎ一叢ひとむらが、ぴったりと弓形ゆみなりに地に平伏ひれふして居る。余は思わず声を立てゝ笑った。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
紺青こんじやううみ千仭せんじんそこよりしてにじたてつてげると、たまはしおとてて、くるまに、みちに、さら/\とくれなゐけての、ひとつ/\のまゝにうみかげうつして、尾花をばな枯萩かれはぎあをい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)