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くわいがふ
「それぢや
行かう」と
云つて
宗助は
出掛けた。
宗助は
一般の
社交を
嫌つてゐた。
已を
得なければ
會合の
席などへ
顏を
出す
男でなかつた。
個人としての
朋友も
多くは
求めなかつた。
或時は
日の
出づる
立山の
方より、
或時は
神通川を
日沒の
海より
溯り、
榎の
木蔭に
會合して、お
月樣と
呼び、お
十三と
和し、パラリと
散つて
三々五々、
彼杖の
響く
處妖氛人を
襲ひ、
變幻出沒極りなし。