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曉
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さと
ふりがな文庫
“
曉
(
さと
)” の例文
新字:
暁
客は自己の無智に乗ぜられていながら、少しもそれを
曉
(
さと
)
らずに、薄い
笑談
(
じょうだん
)
の衣を掛けた、苦い皮肉を
浴
(
あび
)
せられて、無邪気に笑い興じている。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
婦人は此言をなし
畢
(
をは
)
りて、
纔
(
わづか
)
におのれの擧動の
矩
(
のり
)
を
踰
(
こ
)
えたるを
曉
(
さと
)
れりとおぼしく、
臉
(
かほ
)
に火の如き
紅
(
くれなゐ
)
を
上
(
のぼ
)
して席をすべり出でぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
人或は一見して云はむ、これ僅に悲哀の名を變じて欝悶と改めしのみと、而も再考して終に其全く變質したるを
曉
(
さと
)
らむ。ボドレエルは悲哀に誇れり。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
花と望みし峯の白雲あとなく消れば、殘るはお蘭さまの御身一つと、痛はしや脊負ふにあまる
負債
(
もの
)
もあり、あはれ此處なる邸も
他人
(
ひと
)
の
所有
(
もの
)
と、唯これだけを
曉
(
さと
)
り得ぬ
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
輕
(
かろ
)
んずる
氣色
(
けしき
)
ありて甚だ
心底
(
しんてい
)
に
應
(
おう
)
ぜぬ者なりと申されける是は只今にも登城に及び
若
(
もし
)
直願
(
ぢきねがひ
)
の
取次等
(
とりつぎら
)
を申出るとも取次させまじと
態
(
わざ
)
と
斯
(
かく
)
は其意を
曉
(
さと
)
らせし言葉なるべし
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
そして
可成
(
なるべ
)
く彼に
曉
(
さと
)
られざる樣に息を殺して、好奇心を以て仔細に彼の擧動に注目した。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
細君はそれを
展
(
ひろ
)
げて見ても意味を
曉
(
さと
)
ることができなかったが、しかし促織が見えたので、胸の中に思っていることとぴったり合ったように思った。
細君
(
さいくん
)
は喜んで帰って成に見せた。
促織
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
秀イヤ春子嬢の潔白な事を証明するから其の代わり、道九郎君は嬢に憎まれる様に仕向けよと、私が無理に約束を結ばせました、けれど今は到底二人を引き離す事の出来ぬのを
曉
(
さと
)
りました
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
おのが
叫
(
さけび
)
の心をも、つひに
曉
(
さと
)
らで傷つける
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
君の我身を愛し給ふをば、彼の不幸なる日の夕に、
彈丸
(
たま
)
のベルナルドオを傷けし時、君が打明け給ひしに先だちて、私は
疾
(
と
)
く
曉
(
さと
)
り居り候ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
昧者にしてみづから其昧を
曉
(
さと
)
らず、仰いで言を立つるものに向ひて、汝は昧者なり、我が聚美の堂に來りて看よとのみいひて、その効あるべきか。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
何人
(
なんぴと
)
も
終
(
つひ
)
にそれと
曉
(
さと
)
り
得
(
え
)
ぬ
目付
(
めつき
)
。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
暫くは日の天に
中
(
ちゆう
)
するが如き位にありて、世の人の讚歎の聲に心惑ひ、おのが
伎
(
わざ
)
の時々刻々
降
(
くだ
)
りゆくを
曉
(
さと
)
らず、若し此時に當り早く
謀
(
はかりごと
)
をなさゞるときは
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
無智なる、
可憐
(
かれん
)
なるお雪さんは、この破壊この弛廃を
敢
(
あえ
)
てして自ら
曉
(
さと
)
らないのである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
われらの示す
教
(
をしへ
)
曉
(
さと
)
らじ。
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
曉
部首:⽇
16画
“曉”を含む語句
拂曉
曉天
曉方
沒分曉漢
翌曉
曉闇
昨曉
曉星
曉凪
明曉
曉寅刻
払曉
今曉
曉月夜
曉近
冬曉
曉露
曉風
沒分曉
公曉
...