文次ぶんじ)” の例文
出もどりの姉おこよにやらせている名物いろは寿司ずしおかっ引きいろは文次ぶんじが住まいである。
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
二の橋から迎えに来た船頭文次ぶんじの船に、漁師の伊太郎の手で引上げられたのは、ほんの煙草二三服の後でしたが、頸筋くびすじを深々と刺されて、もう虫の息になっていたというのです。
それと長吉ちようきちこゑをかくれば丑松うしまつ文次ぶんじそのの十餘人よにん方角はうがくをかへてばら/\と逃足にげあしはやく、うら露路ろぢにかゞむもるべし、口惜くやしいくやしい口惜くやしい口惜くやしい、長吉ちようきち文次ぶんじ丑松うしまつ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まつりの田町たまちあねのもとへ使つかひを吩附いひつけられて、ふくるまで我家わがやかへらざりければ、ふでやのさわぎはゆめにもらず、明日あすりて丑松うしまつ文次ぶんじそのほかくちよりこれ/\でつたとつたへらるゝに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
手振手拍子ひとつも変る事なし、うかれ立たる十人あまりの騒ぎなれば何事とかどに立ちて人垣をつくりし中より、三五郎は居るか、一寸ちよつと来てくれ大急ぎだと、文次ぶんじといふ元結もとゆひよりの呼ぶに
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三五らうるか、一寸ちよつときてくれ大急おほいそぎだと、文次ぶんじといふ元結もとゆひよりのよぶに、なん用意よういもなくおいしよ、よしきたがるに敷居しきゐとびこゆるときこの二タまた野郎やらう覺悟かくごをしろ、横町よこてうつらよごしめたゞかぬ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)