敬慕けいぼ)” の例文
信雄として、この人を、敬慕けいぼと感激の眼で仰がずにいられない。亡父はいい知己をのこしておいてくれた。そう思わずにいられない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
敵をころしたる時復讐ふくしうの意を以て其肉を食ふとか、親戚しんせきの死したる時敬慕けいぼじやうを表す爲其肉を食ふとか、幾分いくぶんかの制限せいげんは何れの塲合にも存在そんざいするものなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
かれは、ごろ敬慕けいぼするやまだけに、姿すがたえなかったけれど、わかれをしむよう、あたまげました。もなく、汽車きしゃがきたので、意気込いきごんで、それへりました。
しいたげられた天才 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しょうが彼女を愛し、彼女が妾を敬慕けいぼせるはかみに述べたるが如き事情なり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
こんな夢物語ゆめものがたりをいつまでつづけたとて致方いたしかたがございませぬから、加減かげんげますが、かく弟橘姫様おとたちばなひめさまたいする敬慕けいぼねん在世中ざいせちゅうからふかふかわたくしむね宿やどってたことは事実じじつでございました。
この艇名ていめいは、敬慕けいぼする山岡鐵舟先生やまをかてつしうせんせいよりつたのです。』
妾が敬慕けいぼの念はいとど深くなりゆきたるなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)