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挽回
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ばんかい
ふりがな文庫
“
挽回
(
ばんかい
)” の例文
自由宗教より来る熱誠と忍耐と、これに加うるに
大樅
(
おおもみ
)
、
小樅
(
こもみ
)
の不思議なる
能力
(
ちから
)
とによりて、彼らの荒れたる国を
挽回
(
ばんかい
)
したのであります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
それとも党勢不振の際、誓って落日を
中天
(
ちゅうてん
)
に
挽回
(
ばんかい
)
せずんばやまずと云う意気込みで、あんなに
横風
(
おうふう
)
に顔一面を占領しているのか知らん。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
おそらく大勢
挽回
(
ばんかい
)
のためであろう、さもなければ、かねて通謀している大名と、江戸でなに事か起こすためかもしれない。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
受験準備へ食い込む分を人生観察で
挽回
(
ばんかい
)
しようと思って、診察にも成る可く立ち合うことに努めた。学校も学校、小説家修行も小説家修行である。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
徳川幕府の
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
し、あわせてこの不景気のどん底から江戸を救おうとするような
参覲交代
(
さんきんこうたい
)
の復活は、半蔵らが出発以前にすでに触れ出された。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
どうも世間の教育を受けた人の多数は、こんな物ではないかと推察せられる。無論この多数の外に立って、現今の
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
しようとしている人はある。
かのように
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「今さら、お耳に入れても、この
挽回
(
ばんかい
)
はつきませぬ。いたずらに、御不快と
焦躁
(
しょうそう
)
を加えるまでのことと、実は折を見て、お話し申すつもりでおりました」
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
父が株券などに手を出して一時は危くなった家産を
旧
(
もと
)
通りに
挽回
(
ばんかい
)
することの出来たのも、大抵自分が十代から
二十歳
(
はたち
)
の初へかけての気苦労の結果であった。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
東京でもいろいろのことをやって
味噌
(
みそ
)
をつけて行った父親は、製糸事業で失敗してから、それを
挽回
(
ばんかい
)
しようとして気を
焦燥
(
あせ
)
った結果、株でまた手痛くやられた
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
父が
亡
(
な
)
くなり、妹たちがようよう成人する頃には、既に
婿
(
むこ
)
を迎えて子持ちになってい、夫と共に傾きかけた家運の
挽回
(
ばんかい
)
に努めると云う風な
廻
(
めぐ
)
り合せになったりして
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかしてこの衰勢を
挽回
(
ばんかい
)
せしめたるものは実に役者絵中興の祖と称せらるる
勝川春章
(
かつかわしゅんしょう
)
なりとす。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
...
挽回
(
ばんかい
)
せんのみ。四万々生霊を水火
塗炭
(
とたん
)
の中に救はんのみ。
蓋
(
けだ
)
し大和民族の天職は殆ど之より始まらんか。」思うに「二十世紀の最大問題はそれ殆ど黄白人種の衝突か。」
而
(
しこう
)
して
斗南先生
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
つね/″\世を恨み人を恨みながら家名
挽回
(
ばんかい
)
の志は妙な方に持って行った。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
財産を
挽回
(
ばんかい
)
しようとする元気もなくしてしまった。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
しかもこの発見はデンマーク国の開発にとりては実に絶大なる発見でありました、これによってユトランドの荒地
挽回
(
ばんかい
)
の難問題は解釈されたのであります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
到底、三人の叔父に横領された遺産の大には、及びもしないが、それでも、将門はひとまず、家運を
挽回
(
ばんかい
)
した。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幕府の
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
しうるか、どうかは、半蔵なぞのように下から見上げるものにすら疑問であった。
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
四十過ぎての
蹉跌
(
さてつ
)
を
挽回
(
ばんかい
)
することは、事実そうたやすいことでもなかったし、
双鬢
(
そうびん
)
に白いものがちかちかするこの年になっては、どこへ行っても使ってくれ手はなかった。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
破格の好意なのであって、それは一つには、妙子が全くの「
娘
(
とう
)
ちゃん」でありながらくろうとに交って精進する熱心さに
絆
(
ほだ
)
されたせいもあるが、一つには山村舞の
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
するには
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
信用を
挽回
(
ばんかい
)
する積りだったけれど、豊子さんはナカ/\もって理想が高い。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
今度は
食気
(
くいけ
)
がついて、それから人格を認められていない事を認識して、はなはだつまらなくなって、つまらなくなったと思ったら坑夫の同類が出来て、少しく
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
したと云うしだいになる。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
敗勢になりながら、島津の兵はじつによく戦った、しかしいかに善防したところでもはや大勢を
挽回
(
ばんかい
)
することはできない、ついに馬じるしを折り記章を捨てて牧田から西南のほうへと退却をはじめた。
青竹
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
息子の医者の代にはほぼ家運を
挽回
(
ばんかい
)
するようになった。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
今は
挽回
(
ばんかい
)
の工夫もない。全面的な敗北だ。関平と廖化はやむなく
樊城
(
はんじょう
)
へ奔った。そして関羽の前へ出るや
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
英艦応接の儀は
浪華港
(
なにわみなと
)
へ相回し、拒絶談判これあるべく、万一兵端を開き候節は大樹自身出張、万事指揮これあり候わば、皇国の志気
挽回
(
ばんかい
)
の機会にこれあるべく思し召され候。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それが、尊氏をして、わずか二た月のまに、あのような
挽回
(
ばんかい
)
をさせたものにございましょう。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たといその制度の復活が幕府の
頽勢
(
たいせい
)
を
挽回
(
ばんかい
)
する上からも、またこの深刻な不景気から江戸を救う上からも幕府の急務と考えられて来たにもせよ、
繁文縟礼
(
はんぶんじょくれい
)
が旧のままであったら
夜明け前:02 第一部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
と、玄徳を、座上に請じて、沮授に謝罪の礼をとらせ、そのまま敗戦
挽回
(
ばんかい
)
の策を議し始めた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
始めや途中のことなら一時の変ですから、
挽回
(
ばんかい
)
の工夫もあり、立て直しもききますが、今日の変は、要するに、丞相孔明が
逝
(
ゆ
)
かれた後の万事の帰着です。天数の帰結です。もういけません。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
家職と勢力の
挽回
(
ばんかい
)
。そう二つが目標であることはいうまでもなかった。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敵の退路を遮断すれば、
挽回
(
ばんかい
)
の
端緒
(
たんしょ
)
を得べしとなした。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敗地を
挽回
(
ばんかい
)
しようとしているのだった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
挽回
(
ばんかい
)
にあせった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“挽回”の意味
《名詞》
挽 回(ばんかい)
(好ましくない現状を)逆転すること。もとに戻すこと。
失ったものを取り返すこと。回復すること。
(出典:Wiktionary)
挽
漢検準1級
部首:⼿
10画
回
常用漢字
小2
部首:⼞
6画
“挽回”で始まる語句
挽回策