ふつ)” の例文
忌々いま/\しさうに頭をふつて、急に急足いそぎあし愛宕町あたごちやうくらい狭い路地ろぢをぐる/\まはつてやつ格子戸かうしどの小さな二階屋かいやに「小川」と薄暗い瓦斯燈がすとうけてあるのを発見めつけた。
節操 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
なまりおもりかとおもふ心持こゝろもちなにでゞもあるからんと、二三ふつたが附着くツついてそのまゝにはれないから、何心なにごゝろなくをやつてつかむと、なめらかにひやりとた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひぢをばさりとふつたけれども、よく喰込くひこんだとえてなかなかはなれさうにしないから不気味ぶきみながらつまんで引切ひツきると、ぶつりといつてやう/\れる暫時しばらくたまつたものではない
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)