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拙劣
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せつれつ
ふりがな文庫
“
拙劣
(
せつれつ
)” の例文
拙劣
(
せつれつ
)
な変調装置を使うとか、マイクロホンがよくないとか、
増幅装置
(
ぞうふくそうち
)
がうまいところで働いてないとか、そういう
素因
(
そいん
)
によって音声はゆがめられる。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ズイと入ると、中は空っぽも同然、地獄の活人形に朝の陽が射し込んで、何となく不気味なうちにも、
拙劣
(
せつれつ
)
な細工が
醸
(
かも
)
し出す、
滑稽
(
こっけい
)
な趣があります。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は巧みにやってるつもりだったが、実はごく
拙劣
(
せつれつ
)
だった。ある日、ミンナが不都合なほどクリストフに近寄って話していると、不意に母がはいって来た。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
外國語
(
ぐわいこくご
)
を
譯
(
やく
)
して
日本語
(
にほんご
)
とするのは
勿論
(
もちろん
)
結構
(
けつこう
)
であるが、その
譯
(
やく
)
が
適當
(
てきたう
)
でなかつたり、
拙劣
(
せつれつ
)
であつたり
不都合
(
ふつがふ
)
なものが
隨分
(
ずゐぶん
)
多
(
おほ
)
い、
新
(
あら
)
たに
日本語
(
にほんご
)
を
作
(
つく
)
るのであるから
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
富家
(
ふか
)
にありてはただ無知
盲昧
(
もうまい
)
の
婢僕
(
ひぼく
)
に接し、
驕奢
(
きょうしゃ
)
傲慢
(
ごうまん
)
の
風
(
ふう
)
に
慣
(
なら
)
い、貧家にありては
頑童
(
がんどう
)
黠児
(
かつじ
)
に交り、
拙劣
(
せつれつ
)
汚行
(
おこう
)
を学び、終日なすところ、ことごとく有害無益のことのみ。
教育談
(新字新仮名)
/
箕作秋坪
(著)
▼ もっと見る
其他
(
そのほか
)
は
何
(
いづ
)
れも
断片
(
だんぺん
)
で、
文句
(
もんく
)
は
素
(
もと
)
より
拙劣
(
せつれつ
)
、
唯
(
たゞ
)
血
(
ち
)
の
躍
(
おど
)
るまゝにペンを
走
(
はし
)
らせたものとしか
見
(
み
)
えぬ。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
室内を歩きながら、突然立ち止まって眼をつぶったり柱につかまったりする。少し
慇懃
(
いんぎん
)
な手紙を書くには巻紙へ毛筆でしたためるのだが、字体がひどく
拙劣
(
せつれつ
)
になりつつある。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
抱一
(
ほういつ
)
の画、
濃艶
(
のうえん
)
愛すべしといへども、俳句に至つては
拙劣
(
せつれつ
)
見るに堪へず。その濃艶なる画にその拙劣なる句の
賛
(
さん
)
あるに至つては金殿に
反古
(
ほご
)
張りの障子を見るが如く釣り合はぬ事甚だし。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
そうして、はなはだ
拙劣
(
せつれつ
)
な、無能きわまる一法を案出した。あわれな窮余の一策である。私は、とにかく、犬に出逢うと、満面に微笑を
湛
(
たた
)
えて、いささかも害心のないことを示すことにした。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ぼくは
懸命
(
けんめい
)
になればなる
程
(
ほど
)
、
拙劣
(
せつれつ
)
なのを知りながら「実はあなたが昨夜、熊本さんについて見たことを、あなたの胸だけに
蔵
(
しま
)
っておいて
貰
(
もら
)
いたいのです」と言いかければ、彼は
不愉快
(
ふゆかい
)
そうにかん高く
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
ズイと入ると、中は空つぽも同然、地獄の活人形に朝の陽が射し込んで、何となく不氣味なうちにも、
拙劣
(
せつれつ
)
な細工が釀し出す、滑稽な
趣
(
おもむき
)
があります。
銭形平次捕物控:028 歎きの菩薩
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
地球に
拙劣
(
せつれつ
)
な着陸をして一命を
隕
(
お
)
とすよりはいいけれど、行方も見当がつかないのでは仕方がない。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ君が容易に依頼者を満足するの弊として往々粗末なる
杜撰
(
ずさん
)
なる陳腐なる
拙劣
(
せつれつ
)
なる無趣味なる画を成す事あり。しかれども依頼者は多く君の
雷名
(
らいめい
)
を聞いて来る者画の
巧拙
(
こうせつ
)
はこれを鑑別するの識なし。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
作は
拙劣
(
せつれつ
)
で、まず田舎の床の間でなければ通用しないものでしょう。引くり返して裏を見ると、それでも、勢州住人治郎兵衛作と
銘
(
めい
)
が入っております。
銭形平次捕物控:069 金の鯉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
直ぐ処分するということは、
凡
(
およ
)
そ泥棒と名のつく人間の誰でもやるであろうところの平々凡々の手だ。そして同時に
拙劣
(
せつれつ
)
な手でもある。——私はそんな手は採用しなかった。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“拙劣”の意味
《名詞》
拙劣(せつれつ)
下手で劣っていること。
(出典:Wiktionary)
拙
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
劣
常用漢字
中学
部首:⼒
6画
“拙劣”で始まる語句
拙劣鄙褻