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折悪
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おりあ
ふりがな文庫
“
折悪
(
おりあ
)” の例文
旧字:
折惡
折悪
(
おりあ
)
しく、その紅い海水着のまま、台所とも玄関ともつかない所で洗濯していた私は、ぞんざいな口調で、「何ですか」と尋ねたものです。
文学的自叙伝
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
それが
折悪
(
おりあ
)
しく……いや時も時とてあなた様のお相手に割当てられ、勝ちたいにもその望みはなく、逃げましてはなお以て面目立ちませぬ。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
折悪
(
おりあ
)
しく辰夫は社用で不在だったが、あの神経質な又冷淡な母親を予想していた私は、そこに全く思いがけない物静かな
母
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「それが歩いたのです。おそかったものですから、乗合はなく、賃自動車を探しましたが、
折悪
(
おりあ
)
しく皆出払っていたので、思い切って歩きました」
鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
またあとの大部隊も
折悪
(
おりあ
)
しく
退
(
ひ
)
き
潮時
(
しおどき
)
にかかったため、上陸を見合わせているうち、家康の早い防ぎ手に、一歩、先んじられてしまったのである。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
矢田はこの機
逸
(
いっ
)
すべからずと、あたりを見廻したが、
折悪
(
おりあ
)
しく円タクが通らないので、二人はそのまま立止った。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
多感の才人、
折悪
(
おりあ
)
しく健康の衰え切っていたメンデルスゾーンにとって、それは想像以上の打撃であったらしい。彼はもはや作曲する力も指揮する
張合
(
はりあい
)
もなかった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
どんなに
折悪
(
おりあ
)
しく、しかもどんなに
妖怪
(
ようかい
)
のようなおせっかいをもって、私の野心の邪魔をしたことか! ウィーンでも——ベルリンでも——またモスコーでも! まことに
ウィリアム・ウィルスン
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
折悪
(
おりあ
)
しく震災後の交通がマダ常態に復さないので、電車の通ずる
宵
(
よい
)
の
中
(
うち
)
に散会したが
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
泉原は老人に会い、絵を描く事によって生活の保証を得る相談をしたいと思ったのである。が
折悪
(
おりあ
)
しくA老人は二十日程前から旅行中で、いつ帰って来るとも知れぬという事であった。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
折悪
(
おりあ
)
しく同人を討洩らし、
如何
(
いか
)
にも心外に存じ候ゆえ、一時其の場を
遁
(
のが
)
れ、たとい
何処
(
いずく
)
の
果
(
はて
)
に潜むとも、
汝
(
おのれ
)
生かして置くべきや、無念を
霽
(
は
)
らして
後
(
のち
)
訴え出でようと思い居ります内、母の大病
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
長者僧を供養しおわり、室を開けて見れば右の始末、やむをえず五色の
氈
(
せん
)
もてその屍を飾り、葬送して林中に到る。
折悪
(
おりあ
)
しく五百群賊盗みし来って、ここに営しいたので、送葬人一同逃げ散った。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
それを
折悪
(
おりあ
)
しく来かかったTコオチャアに見つけられ、みんなはその場で
叱責
(
しっせき
)
されたばかりでなく、Tさんは主将の八郎さんに告げたので、八郎さんがまたみんなを呼びつけて
烈火
(
れっか
)
のように
怒
(
いか
)
り
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
そこは
折悪
(
おりあ
)
しく十字路であった。
五階の窓:05 合作の五
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
十月に入って師匠が稽古に出られる頃にはその年は
折悪
(
おりあ
)
しく主人のヨウさんが会社の用で
満韓
(
まんかん
)
へ出張という次第。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
ふざけるな! と宅助はムカついて、何か痛い言葉をぶッつけてやろうと、浅黒いうわ唇を
舐
(
な
)
めあげていると、
折悪
(
おりあ
)
しく、宿の女中が廻ってきて、夜具の支度をしはじめた。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ノキ場所ヲ見附ケルニ
折悪
(
おりあ
)
シク脚気ニテ、久シク煩ッテイタ故、歩クコトガ出来ヌカラ、人ニ頼ンデ
漸々
(
ようよう
)
入江町ノ岡野孫一郎トイウ相支配ノ地面ヘ移ッタガ、ソノ時オレハ
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そんな問答を
繰返
(
くりかえ
)
している所へ、
折悪
(
おりあ
)
しく私の家内が、お茶を運んで来ました。井関さんは、ハッとしたように、居ずまいを正して、例の無気味な笑い方で、
矢庭
(
やにわ
)
にヘラヘラと笑いだすのでした。
覆面の舞踏者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
朶雲拝誦
(
だうんはいしょう
)
。老兄
忽然
(
こつぜん
)
ノ御出府、意外驚異
仕
(
つかまつり
)
候。
先
(
まず
)
以テ御壮健ニ御座ナサレ賀シ奉候。
折悪
(
おりあ
)
シク昨年来房州ヘ遊歴留守中早速ニ
拝眉
(
はいび
)
ヲ得ズ、消魂ニ堪ヘズ候。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
折悪
(
おりあ
)
しく、そこへ
油単
(
ゆたん
)
の包みが破れて、その紙片が長く
氷柱
(
つらら
)
のようにブラ下がっていたのを、火の手が、
藤蔓
(
ふじづる
)
にとりついた猿のように捉えると、火は鼠花火の如く面白く走って
大菩薩峠:30 畜生谷の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「せっかくでございますが、上も下も、
折悪
(
おりあ
)
しくふさがりまして、御用に足りますような座敷は一つもござりませぬ。まことに申しかねますが、どうぞほか様へひとつお越しのほどを」
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
急いで取って返して旅の仕度をしているところへ、
折悪
(
おりあ
)
しくお角が帰って来ました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
折
常用漢字
小4
部首:⼿
7画
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
“折”で始まる語句
折
折角
折檻
折々
折柄
折敷
折鞄
折助
折節
折曲