悪巫山戯わるふざけ)” の例文
旧字:惡巫山戲
階下したで呑み直す支度をしていた伴三郎も、左孝の悪巫山戯わるふざけを逃避して廊下で涼んでいたお駒も、青い緊張した顔を持って来ました。
自分達の単なる悪巫山戯わるふざけに対して、その生活を、さらにその生命までも脅かそうとしていることを思うと、そのまま引っ込んではいられなかった。
或る部落の五つの話 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
これら男子の労働者が、無聊ぶりょうを慰すべく旗亭きていに集るや、相手無しには飲めぬから、ついに酌婦を招いて悪巫山戯わるふざけをする。
婦人問題解決の急務 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
泥塗れの中に育っても少女の純真さは、毎夜の、酒を飲んで悪巫山戯わるふざけする多くの男達を記憶に深く留めないで、近所の少年のふとした微笑を憶えしめていたとは!
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
が、あなたの上に、すぐ考えて、それが如何いかにも、女性をけがす、許されない悪巫山戯わるふざけに、思えたのです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
それからびくに入れてある、あのしめじたけが釣った、沙魚はぜをぶちまけて、散々さんざ悪巫山戯わるふざけをした挙句が、橋のつめの浮世床のおじさんにつかまって、額の毛を真四角まっしかくはさまれた
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それによると美しき酋長の娘に思いをよせた狒々は、余り浮かれ過ぎて悪巫山戯わるふざけをしたので、遂に酋長のいかりを買って捕えられ、『鉄の処女』の刑に処せられることになった。
鉄の処女 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「ほんとうに鉱山の人はいやね。お酒を飲むと、無闇に悪巫山戯わるふざけをして……。それでも鉱山が出来たおかげで、ここらも漸々だんだんにぎやかになったんだと云うから、仕方がないけれど……。」
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして彼女は彼女の冒険のおそろしい結果に充分弱っていた。ポール・ターラントは、たぶんある妻かまたは夫の、悪巫山戯わるふざけを監視するような好ましからぬ外国人の態度を多く持っていた。
町の若い男女の噂がにぎわったり、悪巫山戯わるふざけで女をおこらせたりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
いまじやあもう半年はんとしつたらう、あつさの取着とつつき晩方頃ばんかたごろで、いつものやうにあそびにつて、ひと天窓あたまでゝやつたものを、業畜がふちく悪巫山戯わるふざけをして、キツ/\といて
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
其時そのときはこの時雨榎しぐれえのきえだ両股ふたまたになつてるところに、仰向あをむけ寝転ねころんでて、からすあしつかまへた、それからふごれてある、あのしめぢたけつた、沙魚はぜをぶちまけて、散々さんざ悪巫山戯わるふざけをした揚句あげく
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
暑さの取着とッつきの晩方頃で、いつものように遊びに行って、人が天窓あたまでてやったものを、業畜ごうちく悪巫山戯わるふざけをして、キッキッと歯をいて、引掻ひっかきそうな剣幕をするから、吃驚びっくりして飛退とびのこうとすると
化鳥 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
悪巫山戯わるふざけおどしたらしい。跫音あしおとは続いて響く。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)