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御贔負
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ごひいき
ふりがな文庫
“
御贔負
(
ごひいき
)” の例文
「そんな関係から、段々将校方の御世話になるようになりまして。その内でも
柴野
(
しばの
)
の旦那には特別
御贔負
(
ごひいき
)
になったものですから」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
投げ入れし一
品
(
しな
)
を
誰
(
た
)
れにも笑つて告げざりしが好みの
明烏
(
あけがらす
)
さらりと唄はせて、又
御贔負
(
ごひいき
)
をの
嬌音
(
きやうおん
)
これたやすくは買ひがたし
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
角力は
御贔負
(
ごひいき
)
さきがペシャンコになってしまっても捨てず、だんだん
微禄
(
びろく
)
はしたが至極平和にくらした。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
その
後
(
のち
)
不図
(
ふと
)
御贔負
(
ごひいき
)
を
蒙
(
こうむ
)
る
三井養之助
(
みついようのすけ
)
さんにお話すると、や、それはいけない、幽霊の
陰
(
いん
)
に対しては、相手は
陽
(
よう
)
のものでなくてはいけない、夜の海は
陰
(
いん
)
のものだから
薄どろどろ
(新字新仮名)
/
尾上梅幸
(著)
そして自分は実際にお客様方の
御贔負
(
ごひいき
)
についはめられて、それに自分もついはまりこみ、とうとう
二進
(
にっち
)
も
三進
(
さっち
)
も動けない今の身分になってるのだとひそかに洒落れてみた。
猫八
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
▼ もっと見る
光代は向き直りて、父様はなぜそう奥村さんを
御贔負
(
ごひいき
)
になさるの。と不平らしく顔を見る。なぜとはどういう心だ。
誉
(
ほ
)
めていいから誉めるのではないか。と
父親
(
てておや
)
は煙草を
払
(
はた
)
く。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
課長殿は「見所のある奴じゃ」ト御意遊ばして
御贔負
(
ごひいき
)
に遊ばすが、同僚の者は善く言わぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
こうして
拙
(
つたな
)
い琵琶を弾いて歩きますと、人様が
御贔負
(
ごひいき
)
をして下すって、自分の暮らしには余るほどのお金が手に入るもんですから、それをみんな善いことに使ってしまいたいと
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
この辺でごらんなさいまし。三崎座の女役者を、
御贔負
(
ごひいき
)
は、皆呼びずてでございます。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あたしたちは長いこと
御贔負
(
ごひいき
)
になって来たし、この頃ではもうお世話になるのがあたりまえみたいになっているもんでね、——そういえば松吉さんだって、あんなによく面倒みてあげていながら
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
満月ことを左程
御贔負
(
ごひいき
)
に
思召
(
おぼしめ
)
し賜わりまするならば、せめて寮へ下げて養生致させまする御薬代なりと賜わりましたならば、当人の身に取り、私どもに取りまして何よりの仕合わせに御座りまする。
名娼満月
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
御前の
御贔負
(
ごひいき
)
に甘えまして
一寸
(
ちよつと
)
狂言を仕組んで見たので御座いますよ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
又
(
また
)
御贔負
(
ごひいき
)
をの
嬌音
(
きやうおん
)
これたやすくは
買
(
か
)
ひがたし、
彼
(
あ
)
れが
子供
(
こども
)
の
處業
(
しわざ
)
かと
寄集
(
よりあつま
)
りし
人
(
ひと
)
舌
(
した
)
を
卷
(
ま
)
いて
太夫
(
たゆう
)
よりは
美登利
(
みどり
)
の
顏
(
かほ
)
を
眺
(
なが
)
めぬ、
伊達
(
だて
)
には
通
(
とほ
)
るほどの
藝人
(
げいにん
)
を
此處
(
こゝ
)
にせき
止
(
と
)
めて、
三味
(
さみ
)
の
音
(
ね
)
、
笛
(
ふゑ
)
の
音
(
ね
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「伊賀屋や八百久はながいお出入りだそうだが、私は
御贔負
(
ごひいき
)
になって幾年にもならねえ、だからはっきり云いますが、今日持って来た米が最後で、これからは御免を
蒙
(
こうむ
)
りますからそう思って下さい」
あだこ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
贔
漢検1級
部首:⾙
21画
負
常用漢字
小3
部首:⾙
9画
“御贔”で始まる語句
御贔屓
御贔屓筋
御贔屓下
御贔屓効
御贔屓振
御贔屓様