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御社
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みやしろ
ふりがな文庫
“
御社
(
みやしろ
)” の例文
いま、竹中半兵衛がそう告げて来たゆえ、やにわに起き出て、まず、城中の
御社
(
みやしろ
)
へ詣で、ここ数十日の
懈怠
(
けたい
)
をおわび致して来た
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
順道
(
じゅんとう
)
ならば、今頃は既に、藤原の氏神河内の
枚岡
(
ひらおか
)
の御神か、春日の
御社
(
みやしろ
)
に、
巫女
(
みこ
)
の君として仕えているはずである。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
いやいや、
御堂
(
みどう
)
、
御社
(
みやしろ
)
に、
参籠
(
さんろう
)
、
通夜
(
つや
)
のものの、うたたねするは、神の
御
(
お
)
つげのある折じゃと申す。神慮のほども
畏
(
かしこ
)
い。……
眠
(
ねむり
)
を驚かしてはなるまいぞ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
明治の新たなる政策で
修験
(
しゅげん
)
の立派は否認せられ、彼らの一半は法を慕うて忍耐して僧となり、他の一部分は
御社
(
みやしろ
)
の威徳を忘れかね、
還俗
(
げんぞく
)
して
平
(
ひら
)
の神職に編入せられた。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
同じ御領内に鎮守の
御社
(
みやしろ
)
を預かって、御家繁昌御家安泰を御祈願すべき神主が、由々敷一揆の相談うけたときかばさぞかし御不審でおじゃろうが、拙者、ちと変り者でな。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
たてさせ給ひたりけるよりかく名けけるとかや申也。其時の壇の石にて侍るとて
御社
(
みやしろ
)
の前のみちの辺にしめ引まはしたる石あり。此御社はあなと豊浦の都の大内の跡にて侍とかや。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
おれは何時かの雨夜以来、唯この姿を忘れたいばかりに、どの位四方の神仏へ、祈願を
凝
(
こ
)
らしたかわからない。が、加茂の
御社
(
みやしろ
)
へ行けば、御鏡の中にありありと、侍従の顔が映つて見える。
好色
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
住吉
(
すみよし
)
の
御社
(
みやしろ
)
のほうへ向いてこう叫ぶ人々はさまざまの願を立てた。また
竜王
(
りゅうおう
)
をはじめ大海の諸神にも源氏は願を立てた。いよいよ雷鳴ははげしくとどろいて源氏の居間に続いた廊へ落雷した。
源氏物語:13 明石
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「
浮評
(
うわさ
)
に聞える
御社
(
みやしろ
)
はあのことでおじゃるか。見れば
太
(
いと
)
う小さなものじゃ」
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
御社
(
みやしろ
)
の尾白の馬の今日も
猶
(
なほ
)
痩せず豆
食
(
は
)
む
故郷
(
ふるさと
)
を見ぬ
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
暮れて行く枯木も加茂の
御社
(
みやしろ
)
も
五百五十句
(新字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
眺望するに山々には殘りの花あり
雲雀
(
ひばり
)
鶯の聲は野に滿ち下は湖水へ注ぐ大河ありて岩波高きに山吹危うげに咲き
溢
(
こぼ
)
れたる此景色今まで何とて目には
入
(
い
)
らざりしといぶかる
頓
(
やが
)
て
下
(
しも
)
の諏訪秋の宮に詣づ神さびたるよき
御社
(
みやしろ
)
なり
上
(
かみ
)
の諏訪に春の宮あり莊嚴目を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
「どこかこの地方に、源氏に縁故のある
御社
(
みやしろ
)
はあるまいか。——そちは毎年通っている道中だから知っているだろう」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
順道
(
じゆんたう
)
なれば、今頃は既に、藤原の氏神河内の
枚岡
(
ひらをか
)
の
御神
(
おんかみ
)
か、春日の
御社
(
みやしろ
)
に仕へてゐるはずである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
御社
(
みやしろ
)
預る沼田正守、豊明権現様に御貴殿が御家名安泰の御祷りも出来ぬというものじゃ。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
いよいよ
御社
(
みやしろ
)
に向いて子のために念じていた。
源氏物語:14 澪標
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
と、その向こうには、神さびた
弁天堂
(
べんてんどう
)
の建物が見えた。なお、あたりには、
宇賀
(
うが
)
の
御社
(
みやしろ
)
、
観音堂
(
かんのんどう
)
、
多聞堂
(
たもんどう
)
、
月天堂
(
げってんどう
)
などの屋根が樹の葉のなかに
浮
(
う
)
いている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「かまわぬ、——鳥居大路からは
十禅師
(
じゅうぜんじ
)
の辻へ。そして
祇園
(
ぎおん
)
の
御社
(
みやしろ
)
を横に、吉水まで。悠々とやろうぞ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町でも見、
御社
(
みやしろ
)
の庭でも見、よく覚えておる。——ところがその後、年を経て同じおひとを、春日山の御城下に見た。何とそれが、上杉家の臣、黒川大隅家のやしきに召使となっておる。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春日
(
かすが
)
やその他、名だたる
御社
(
みやしろ
)
に座をおく申楽師ともなれやあ大したものだが、散所芸人といわれる乞食申楽をして歩いていたンでは、お内儀も一生、大道の
埃
(
ほこり
)
にまみれて、食うや食わずの毎日を
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おう、御住職か。あまり
麗
(
うら
)
らかさに、
春日
(
かすが
)
の
御社
(
みやしろ
)
まで
詣
(
まい
)
って来た」
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“御社”の意味
《代名詞》
御社 (おんしゃ)
(会話語)相手が属する会社に対する二人称の尊敬語。
(出典:Wiktionary)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
社
常用漢字
小2
部首:⽰
7画
“御社”で始まる語句
御社参