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当身
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あてみ
ふりがな文庫
“
当身
(
あてみ
)” の例文
旧字:
當身
と、また飛びついてきたやつは、待ちかまえていた六部が、気合いをかけた
当身
(
あてみ
)
のこぶしで、
顎
(
あご
)
をねらってひと
突
(
つ
)
きに、突きとばす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
怒鳴
(
どな
)
って、外へ飛び出そうと立直った時、彼を押込んだ運転手の右手が、鉄の様な握り
拳
(
こぶし
)
になって、パッと胸を打った。柔道の
当身
(
あてみ
)
である。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
云うとたんに、六郎兵衛は相手の胸さきを
蹴
(
け
)
あげた。彼は
当身
(
あてみ
)
をくれるつもりだったらしい、だが、そのとき、向うの暗がりから人が出て来た。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
前に倒れた奴が
口惜
(
くや
)
しいから又起上って組附いて来る処を、
拳
(
こぶし
)
を固めて脇腹の三枚目(芝居でいたす
当身
(
あてみ
)
をくわせるので)
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
けれども、その
挨拶振
(
あいさつぶ
)
りは義理か、通り一遍のものだった。どの店の人間も彼の
当身
(
あてみ
)
の多い講釈には参らされていた。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
やがて一つの室へ出たが、数馬の早速の早業で番兵三人に
当身
(
あてみ
)
をくれ、気絶する
処
(
ところ
)
を縛り上げたので、無事にその室を
通過
(
よぎ
)
ることが出来た。と、また高い階段となる。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一当て
当身
(
あてみ
)
をくれて息の根をとめて、それから水に入ったんですから、それで女の子が水を呑んでいない——おさむらいの方は、何か別に仕方があったんでござんしょう
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何、どうしたと、
殺
(
や
)
り
損
(
そくな
)
って
反対
(
あべこべ
)
に
当身
(
あてみ
)
を
喰
(
くら
)
った。それだから
虚気
(
うっかり
)
手を出すなと言わねえことか。や、銀平殿お前もお帰りか。「はい、旦那唯今。「うむ、御苦労、なに下枝
様
(
さん
)
はどうじゃ。 ...
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
殺すワケがあるかえ。
当身
(
あてみ
)
で倒す腕もある。まして祝言の当夜だぜ。石頭には人の心が解けないなア。人の心には曰くインネン故事来歴があって、右が左にはならないものだぜ。ちとオレの小説を
明治開化 安吾捕物:14 その十三 幻の塔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
甚五郎は
当身
(
あてみ
)
を食わせた。それきり蜂谷は息を
吹
(
ふ
)
き返さなかった。平生何事か言い出すとあとへ引かぬ甚五郎は、とうとう蜂谷の大小を取って、自分の大小を代りに残して立ち退いたというのである。
佐橋甚五郎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
(
当身
(
あてみ
)
を食わせ、倒れるを少し介錯して、地に寝かす)
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
急所の
当身
(
あてみ
)
でも喰わせたかも知れません。
半七捕物帳:62 歩兵の髪切り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
川上磯関大尉得意の
当身
(
あてみ
)
であった。
浮かぶ飛行島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
右のこわきに、
咲耶子
(
さくやこ
)
のからだを引っかかえていた。
不意
(
ふい
)
に、
当身
(
あてみ
)
をうけたのであろう、
彼女
(
かのじょ
)
は力のない四
肢
(
し
)
をグッタリとのばしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
当身
(
あてみ
)
でもくれたのでしょうか、ひとこえ呻く御老職をひっ担ぎました、私もこれは一大事と思い、必死の勇をふるって二人を投飛ばし、早速ここへ御注進に
若殿女難記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
またその機転が利いていたところで、
当身
(
あてみ
)
や活法は、施すべき時と相手とがある。
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
とうとう
当身
(
あてみ
)
でもって気を失ってしまった。それから、どれほどたったか、ふと眼をさますと、僕は手足を縛られて、まっぱだかにされて、ここの物置き部屋にころがされていたんです。
黒蜥蜴
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もともと金吾があの時の不覚は、日本左衛門の
当身
(
あてみ
)
を
脾腹
(
ひばら
)
にうけたのみで、正気がつけば何も病床に親しむほどのことはない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その床几の上に横たわっている人間の二本の脚もとから——顔の方をずっと見上げて、どきっと、
鳩尾
(
みずおち
)
に
当身
(
あてみ
)
を食ったような衝動をうけた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ウム、拙者もそう考えているが……その時に弦之丞が、宅助へ
当身
(
あてみ
)
をくれたということが、どうもよく呑みこめない」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と一の洞門では、早くもその足音をさとって、ひとりが大手をひろげてどなると、
鉄球
(
てっきゅう
)
のように飛んでいった伊那丸が、どんと
当身
(
あてみ
)
の一
拳
(
けん
)
をついた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
バラバラッと蓆囲いを目がけて躍り込んで行くと、物蔭に隠れていた熊谷笠の大月玄蕃が、いきなりドンとこんがらの
鳩尾
(
みずおち
)
を狙って突き出した
当身
(
あてみ
)
の
拳
(
けん
)
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
かれには一度、真土の山の黒髪堂で、素早い
当身
(
あてみ
)
をくらッています。あの苦い味を与えられている相手です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あれは森啓之助の
仲間
(
ちゅうげん
)
、拙者の顔を見知っているゆえ、
当身
(
あてみ
)
をくれておいたのだが、しかし、四国屋のお内儀、さだめし驚いたことであろう。そなたからわけを
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ズンと深く食い込んだまま
牙歯
(
きば
)
のように立ち、かれは大地に弓なりに仆れています——言うまでもなく日本左衛門に袖をくぐられた
当身
(
あてみ
)
! あばらを折られていなければ
僥倖
(
ぎょうこう
)
なのです。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ちょっと
当身
(
あてみ
)
をくれておいた」
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脾腹
(
ひばら
)
へ
当身
(
あてみ
)
! たった一突き。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“当身”の解説
当身(あてみ)もしくは当身技(あてみわざ)とは、日本において古くから伝承される古武術や武道で急所を「突く・殴る・打つ・蹴る・当てる」などの技術の総称である。主に柔道をはじめとする柔術で使うパンチやキックの事を指す意味で使われる。中身(あてみ)、当、中(あて)とも書く。流派によっては砕き(くだき)、殺活術、殺法、勝身術ともいう。
時代劇などで、急所や腹部を打って気絶させる技も当身である。
(出典:Wikipedia)
当
常用漢字
小2
部首:⼹
6画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
“当”で始まる語句
当
当然
当惑
当時
当前
当座
当家
当麻
当嵌
当初