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屋臺
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やたい
と
云つて
其處に
立つて
考へたのは、
身綺麗らしい
女中であつたが、
私はよくも
見なかつた。で、
左の
隅、
屋臺を
横にした
處で、
年配の
老爺と、お
婆さん。
と、
徳は
孤ならず、ちよろつかな
包み
加減。
拔いた
串に
皮が
開いて、
小姉の
手の
上に
飜つたのを、
風呂敷ごと
引奪るやうに
取つて、
奴は
屋臺で、
爲直しながら
と
七輪の
上を
見計らひ、
風呂敷を
受取つて、
屋臺へ
立ち、
大皿からぶツ/\と
煙の
立つ、
燒きたてのを、
横目で
睨んで、
竹の
皮の
扱きを
入れる、と
飜然と
皮の
撥ねる
上へ
おでんの
屋臺の
中を
拔けて
柳の
下をさつ/\と
行く。