封鎖ふうさ)” の例文
甲州一万五千の大兵は、城内わずか五百の兵を、天正三年五月八日のたそがれ頃からすっかり封鎖ふうさしてしまった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それとともはやし封鎖ふうさされたやうな姿すがたつてる。ふゆごと熊手くまでつめおよかぎいてくので、くさしたがつてみじかくなつてこしぼつするやうなところ滅多めつたにない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「もう食べあきた。どこへ行っても同じものばかりで。女を買おうと思えば、少しいいのは皆んな封鎖ふうさだろう」
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
かく既發見きはつけん遺物いぶつだけそと持出もちだし、あと明日あすまで封鎖ふうさするがからうと、一けつし、各新聞記者かくしんぶんきしやおよ少數せうすうひと窟内くつないを一けんさしたのち余等よらにんあなからことにした。
それに夢中になっている間に、爆破隊が例の入口封鎖ふうさを見事にやってのけました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
感情の封鎖ふうさ近東行きんとうゆき郵船いうせん……
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
彼の使命は、西国から輸送される軍需船を、大坂の海口で封鎖ふうさするにある。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
播磨灘はりまなだの沿岸から三木に入る街道をも封鎖ふうさして、敵の糧道をっておりますが、今日、つらつら敵の士気をながめ、地理をあんじてみますに、これはまだ少しも敵中の士気にこたえていないようです。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)