家路いへぢ)” の例文
彼等かれらうして時間じかんむなしくつひやしてはとほちかひぐらしこゑが一せいいそがしく各自かくじみゝさわがして、おほきなしやおほうたかとおもやううす陰翳かげ世間せけんつゝむと彼等かれらあわてゝみな家路いへぢく。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
大佐たいさわらひながらしづかにあゆすと、一同いちどう吾等われら前後左右ぜんごさゆう取卷とりまいて、家路いへぢむかふ。
拾ひ取り行くほどに一里づかほとりより申々御旅人樣是より先に人里なし此宿このやどへ御泊り成れと走り來るを見返れば年の頃十三四なる少女なり今日はつかれたり何所へ泊るも同じ事案内あんないたのむと家路いへぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
この眺めゆたかにさみ黄牛あめうし家路いへぢの舟に日を見かへりぬ
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私共は森に這入つて家路いへぢについた。
家路いへぢをおもふの聲に
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)