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姦
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かしま
ふりがな文庫
“
姦
(
かしま
)” の例文
隣の
摘
(
つま
)
み
綿
(
わた
)
の師匠の家は弟子やら町内の
金棒曳
(
かなぼうひ
)
きやらでハチ切れるやうな
姦
(
かしま
)
しさです、多分この變事の噂でもしてゐるのでせう。
銭形平次捕物控:163 閉された庭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それらの婦人たちが、
姦
(
かしま
)
しく物を言い、或いはワザとらしく囁くのが、金屏風で隔てられた次の桟敷へはよく響くのであります。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
誰彼の
噂
(
うわさ
)
に夜をふかすうちに、
姦
(
かしま
)
しきがつねとて、誰にはかかる醜行あり、彼れにはこうした汚行ありと
論
(
あげ
)
つらうを聞いて
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
また
姦
(
かしま
)
しく
多言
(
たげん
)
するなかれ、
漫
(
みだ
)
りに外出するなかれというも、男女共にその程度を過ぐるは
誉
(
ほ
)
むべきことにあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「念を押すところが未だしも愛すべきですね。『
姦
(
かしま
)
し』に一つ足りないなんてもの、まあこちらから願い下げだ」
一本の花
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
とろとろと
微睡
(
まどろ
)
むかと思うと、お増はふと
姦
(
かしま
)
しい隣の婆さんの声に
脅
(
おびや
)
かされて目がさめた。お増は疲れた
頭脳
(
あたま
)
に、始終何かとりとめのない夢ばかり見ていた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
女中達は
姦
(
かしま
)
しく桟敷の幕を絞って
彼方
(
あなた
)
を見渡していた。成程、川に添って一散に、此処へ来る一隊の先頭には、大月玄蕃の馬上姿が小さく見えて来たのであった。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
妬み半分と面白半分とで、女たちは
鉄漿黒
(
かねぐろ
)
の口々から
甲高
(
かんだか
)
の声々をいよいよ
姦
(
かしま
)
しくほとばしらせた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
路地へはいると、ようやく酒もりも終ったとみえ、
姦
(
かしま
)
しく笑ったり、あけすけにみだりがましい言葉を投げあったりしながら、女房たちが別れ別れに出てゆくところだった。
おれの女房
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
金切聲
(
かなきりごゑ
)
で耳をつんざかれたり、それに次いで
姦
(
かしま
)
しい驚きの洪水でまくし立てられたりする危險を
招
(
まね
)
かないでも、安全に非常な
報
(
しら
)
せを話すことの出來る禮儀正しい、落着いた人間だつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
地図の上ではたった二三寸の間なのに、可哀想なお母さんは四国の海辺で、朝も夜も私の事を考えて暮らしているのでしょう——。風呂から帰って来たのか、階下で女達の
姦
(
かしま
)
しい声がする。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
もう半町程向うにある石段の
辺
(
あた
)
りではほほづき、ほうらくの
姦
(
かしま
)
しい叫びが起るのでしたから、私がこの悲い目に逢ふのも、一つは茶色のかうした目立つた厭な色の袢纏を着て居るからであると
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
忽
(
たちま
)
ちにして、近所のお
上
(
かみ
)
さんの
姦
(
かしま
)
しい話声や、ヒステリーの様に泣き叫ぶ、
其辺
(
そのあたり
)
の
病児
(
びょうじ
)
の声に
妨
(
さまた
)
げられて、私の前には、又しても、醜い現実が、あの灰色のむくろをさらけ出すのでございます。
人間椅子
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そうして、この番附面の極印、やはり銀杏加藤の奥方が
日下開山
(
ひのしたかいさん
)
の地位——その点だけにはすべての
姦
(
かしま
)
しさを沈黙させ、問題はそれ以下に於て沸騰する。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
公卿口の
姦
(
かしま
)
しさ。殿上いずこの
間
(
ま
)
でも廊でも
紛々
(
ふんぷん
)
たる
騒
(
ざわ
)
めきである。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
皇太子との浮名沙汰など
姦
(
かしま
)
しく、他所に隠されておいでだったが、やがて年経て、はからずも尊治が万乗の君となられたので、禧子にも
女御入内
(
にょごじゅだい
)
の宣旨がくだり、またほどなく立后の儀も挙げられて
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姦
(
かしま
)
しい人の声。
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何しろ、賑やかを通り越して、
姦
(
かしま
)
しいこと一
方
(
かた
)
でない。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、忽ち
姦
(
かしま
)
しい眼をそばだてた。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姦
漢検準1級
部首:⼥
9画
“姦”を含む語句
姦通
相姦
姦夫
姦計
姦佞
姦男
姦邪
姦淫
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強姦
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