奮然ふんぜん)” の例文
其翌五日そのよくいつか奮然ふんぜんとしてたゞ一人ひとりつた。さむいかぜき、そらくもつた、いやであつたが、一人ひとりで一生懸命しやうけんめいつたけれど、なにぬ。
こなたにあって、天野刑部あまのぎょうぶ大薙刀おおなぎなたと渡りあっていた木隠龍太郎こがくれりゅうたろうは、奮然ふんぜんと、刑部を一刀のもとってすて、梅雪のあとからどこまでも追いかけた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「火の玉」少尉は重傷に屈せず、奮然ふんぜんと立ち上った。そしてキンチャコフがピストルを握り直そうとしたところを、すかさずとびこんで足蹴あしげにした。
空中漂流一週間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
妻子さいしてて、奮然ふんぜん学問のしなおしをやってみようかしら、そんならばたしかに人をおどろかすにたるな。やってみようか、おもしろいな奮然ふんぜんやってみようか。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
後年ワグナーが失意と貧困とにさいなまれて、自暴自棄の心持になり切ったとき、「第九交響曲」を聴いて大熱を発するほど感激し、奮然ふんぜんってあの大成功への道をあゆんだという有名な逸話がある。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)
吾人ごじん奮然ふんぜんとしてってその責任を問わざるを得ず。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
苦桃太郎にがもゝたらうこれるより奮然ふんぜんとしていかり
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
奮然ふんぜんとしてこたへた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
奮然ふんぜんと、むこうからもむかってくるかと思ったがあんがい、グズグズとくじけてしまったので石弥いしやもあっ気にとられた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
Yという女が、奮然ふんぜんと主人公の写真をやぶくところが、目の前に見えるようだ。だがこのくだりも、彼には全然記憶のないことであった。彼は、なんだか気持がへんになってきた。
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとりのほうはつまがつれていくにきまってる。いちばん奮然ふんぜんとしてやってみようかな。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
それを聞いていた大江山捜査課長は、奮然ふんぜんとしてテーブルを叩いた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
奮然ふんぜん、西を指して
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帆村は奮然ふんぜんと、卓を叩いて立ち上った。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)