天台てんだい)” の例文
それ羅山らざん口号こうがういはく萬葉集まんえふしふ古詩こしたり、古今集こきんしふ唐詩たうしたり、伊勢物語いせものがたり変風へんぷうじやうはつするににせたり、源氏物語げんじものがたり荘子さうし天台てんだいしよたりとあり。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
その他大師講だいしこうの如き、吾人はその冬季たるの感もっとも薄しといへども、天台てんだいの寺にありて親しくこれを見し者は必ずや冬季における幾多の聯想を起すべきなり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
殊にこの僧都は天台てんだいとか真言しんごんとかの美くしいころもでもた坊さんであろうから、それが春の水の上に浮んでいるところに、美くしさの上の調和もあるのであろう。
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
翌朝よくてう知縣ちけんおくられてた。けふもきのふにかはらぬ天氣てんきである。一たい天台てんだいまん八千ぢやうとは、いつたれ測量そくりやうしたにしても、所詮しよせん高過たかすぎるやうだが、かくとらのゐるやまである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
留まりたもうこと三日、杭州こうしゅう天台てんだい雁蕩がんとうゆうをなして、又雲南に帰りたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
叡山は天台てんだい、石山は門徒もんと、宗派はちがうが、仏徒であることに変りはない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天台てんだいの或る和尚おしょうさんが来られて我病室にかけてある支那の曼陀羅まんだらを見て言はれるには、曼陀羅といふものは婆羅門バラモンのもので仏教ではこれを貴ぶべきいはれはないものである
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
かう因縁いんねんがあるので、りよ天台てんだい國清寺こくせいじをさして出懸でかけるのである。
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「これまでをつたところでございますか。それは天台てんだい國清寺こくせいじで。」
寒山拾得 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)