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大𢌞
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おほまは
大𢌞りには
成るけれど、
呉服橋を
越した
近い
處に、バラツクに
住んで
居る
人だから、
不斷の
落着家さんだし、
悠然として、やがて
來よう。
噂も
知らなかつた
隧道が
此だとすると、
音に
響いた
笹子は
可恐しい。
一層中仙道を
中央線で、
名古屋へ
大𢌞りをしようかと
思つたくらゐ。
が、
通された
部屋は、すぐ
突當りが
壁で、
其處から
下りる
裏階子の
口は
見えない。で、
湯殿へは
大𢌞りしないと
行かれぬ。
元來——
歸途に
此の
線をたよつて
東海道へ
大𢌞りをしようとしたのは、……
實は
途中で
決心が
出來たら、
武生へ
降りて
許されない
事ながら、そこから
虎杖の
里に