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大鷲
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おおわし
ふりがな文庫
“
大鷲
(
おおわし
)” の例文
くろい
大鷲
(
おおわし
)
は、伊那丸の頭上をはなれず廻っている。
砂礫
(
されき
)
をとばされ、その翼にあたって、のこる四人も
散々
(
さんざん
)
になって、気を
失
(
うしな
)
った。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見ると山の八合目と覚しい空高く、小さな黒い点が静かに動いて輪を描いている。それは一羽の
大鷲
(
おおわし
)
に違いない。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
やがて時計の長短針が一つになって十二時を指すと、音楽堂の上から一発の砲声が
轟
(
とどろ
)
いた。と思うと
大鷲
(
おおわし
)
のごとく両翼を拡げた飛行船は徐々に上昇し初める。
月世界競争探検
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
十
吋
(
インチ
)
幅くらいの部厚な銀台に精巧な
頸
(
くび
)
飾りを彫刻して、ほんものの幾つかの小粒のダイヤが
鏤
(
ちりば
)
められ頸飾りの輪を結んだ上には、
大鷲
(
おおわし
)
の
掴
(
つか
)
んだ青銅板の中に
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
朝
五
(
いつ
)
つ
時
(
どき
)
の事で、
侍町
(
さむらいまち
)
の人通りのない坂道を
上
(
のぼ
)
る時、
大鷲
(
おおわし
)
が一羽、
虚空
(
こくう
)
から
巌
(
いわ
)
の
落下
(
おちさが
)
るが如く落して来て、少年を
引掴
(
ひっつか
)
むと、
忽
(
たちま
)
ち雲を飛んで行く。少年は
夢現
(
ゆめうつつ
)
ともわきまへぬ。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
また時にはいつになっても春を知らない峰を越えて、岩石の間に
棲
(
す
)
んでいる
大鷲
(
おおわし
)
を射殺しにも行ったりした。が、彼は
未嘗
(
いまだかつて
)
、その非凡な
膂力
(
りょりょく
)
を尽すべき、
手強
(
てごわ
)
い相手を見出さなかった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
孤島とを
棲処
(
すみか
)
として、
群棲
(
ぐんせい
)
を常とする
信天翁
(
あほうどり
)
が今時分ひとりで、こんなところをうろついているというのも変ですから、或いはオホツク海あたりから来た
大鷲
(
おおわし
)
が、浦賀海峡を股にかけて
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自体
(
じたい
)
、
蛾次郎
(
がじろう
)
の腕なり頭なりでは
荷
(
に
)
の勝ちすぎたこの
大鷲
(
おおわし
)
が、はたしてかれの自由になるかどうか、ここ、おもしろい見ものである。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大鷲
(
おおわし
)
の
翼
(
つばさ
)
打襲
(
うちかさ
)
ねたる
趣
(
おもむき
)
して、左右から
苗代田
(
なわしろだ
)
に
取詰
(
とりつ
)
むる峰の
褄
(
つま
)
、
一重
(
ひとえ
)
は
一重
(
ひとえ
)
ごとに迫って次第に狭く、奥の
方
(
かた
)
暗く
行詰
(
ゆきつま
)
ったあたり、
打
(
ぶッ
)
つけなりの
茅屋
(
かやや
)
の窓は、山が開いた
眼
(
まなこ
)
に似て
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ア——と
竹童
(
ちくどう
)
は目をみはっていると、たちまち、
宙天
(
ちゅうてん
)
からすさまじい
疾風
(
しっぷう
)
を起してきた黒い
大鷲
(
おおわし
)
、鶴を目がけてパッと飛びかかる。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
折から夕暮の
天
(
そら
)
暗く、筑波から出た雲が、早や屋根の上から
大鷲
(
おおわし
)
の
嘴
(
くちばし
)
のごとく田町の空を
差覗
(
さしのぞ
)
いて、一しきり
烈
(
はげ
)
しくなった
往来
(
ゆきき
)
の人の姿は、ただ黒い影が
行違
(
ゆきちが
)
い、入乱るるばかりになった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いつの世の頃からか、朝日ヶ嶽、
大鷲
(
おおわし
)
ヶ峰、高尾山、鎌倉山、
龍上
(
たつかみ
)
などの峰々に仏舎宝塔が建って以来は、五台の仏地としての方がより世上へ聞えが高くなり
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大
常用漢字
小1
部首:⼤
3画
鷲
漢検準1級
部首:⿃
23画
“大鷲”で始まる語句
大鷲出現
大鷲神社