大佐たいさ)” の例文
「いいとも。お前たちはみんなぼく大佐たいさにする。ぼくんだら、きっとかけて来ておくれ」といいました。仔馬こうまよろこんではねあがりました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大佐たいさいへは、海面かいめんより數百尺すひやくしやくたか斷崖だんがいうへたてられ、まへはてしなき印度洋インドやうめんし、うしろ美麗びれいなる椰子やしはやしおほはれてる。
いまそのうるはしく殊勝けなげなる夫人ふじんが、印度洋インドやう波間なみまえずなつたといては、他事ひとごとおもはれぬと、そゞろにあわれもようしたる大佐たいさは、暫時しばらくしてくちひらいた。
「うまいぞ。うまいぞ。もうみんなぼくのてしたなんだ。きつねなんかもうこわくもなんともないや。おっかさん。ぼくね、りすさんを少将しょうしょうにするよ。馬はね、馬は大佐たいさにしてやろうと思うんです」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
食卓テーブル對端むかふには、武村兵曹たけむらへいそうほか三名さんめい水兵すいへい行儀ぎようぎよくならび、此方こなたには、日出雄少年ひでをせうねんなかはさんで、大佐たいさわたくしとがみぎひだりかたならべて、やが晩餐ばんさんはじまつた。