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堆高
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うずたか
ふりがな文庫
“
堆高
(
うずたか
)” の例文
客たちの前には
堆高
(
うずたか
)
い書類がとりひろげてあった、それは主計が此の家へ来て以来、夜を日に継いで書き続けたあの記録らしかった。
晩秋
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
掘り起された土は穴の廻りに次第に
堆高
(
うずたか
)
く積まれて行った。さして深くない墓穴の事とて、人夫のショベルはやがて何かに突き当った。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
この
木彫
(
きぼり
)
や
金彫
(
かねぼり
)
の様々な
図
(
ず
)
は、
瓶
(
かめ
)
もあれば天使もある。羊の足の神、羽根のある
獣
(
けもの
)
、不思議な鳥、または
黄金色
(
こがねいろ
)
の
堆高
(
うずたか
)
い果物。
痴人と死と
(新字新仮名)
/
フーゴー・フォン・ホーフマンスタール
(著)
その
夜更
(
よふ
)
けて、私は貨物船清見丸へ壮平親子を
見送
(
みおくり
)
にいった。
甲板
(
かんぱん
)
に
堆高
(
うずたか
)
く積まれたロープの蔭から私たちは美しい港の灯を見つめていた。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこでまず、
糞
(
ふん
)
だとか、根だけ食い残したのぼろ
菊
(
ぎく
)
だとか、
玉菜
(
たまな
)
の
芯
(
しん
)
だとか、
葵
(
あおい
)
の葉だとかいうものの
堆高
(
うずたか
)
く積まれた上に、彼は腰をおろす。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
▼ もっと見る
人が住まなくなってからもう余程になると見え、舗石の間からは雑草が萌え出し、屋根から墜ちて砕けた緑色の唐瓦が、草の間に
堆高
(
うずたか
)
く積んでいる。
平賀源内捕物帳:長崎ものがたり
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
枕もとにはお義理のように横文字の本を
堆高
(
うずたか
)
く積んであるが、見ているのは大抵例の「スゥイス日記」か、ベデカアのスゥイス案内書位なものである。
雉子日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
そう言いながら朝野は、火鉢の
曳出
(
ひきだ
)
しのような恰好の木箱を傾けて、そのなかの
葱
(
ねぎ
)
を、鯨鍋のなかに思いきり流し込んだ。小さく刻んだ薬味の葱は鍋のなかで
堆高
(
うずたか
)
く山を築いた。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
一方は諏訪町、駒形方面から、一方は門跡から
犇々
(
ひしひし
)
と火の手が攻めかけて来るのだが、その間は横丁の
角々
(
かどかど
)
は元より
到
(
いた
)
る処荷物の山で、我も我もと持ち運んだ物が
堆高
(
うずたか
)
くなっている。
幕末維新懐古談:13 浅草の大火のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
堆高
(
うずたか
)
い沖の方が辛うじて空明りを反映させていた。それに海風も薄ら寒かった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「これだな」と、一行は澄ました顔をしてその前を素通りしながら、そっと横眼を使って
店内
(
みせうち
)
を眺めると、有るわ有るわ、
天幕
(
てんと
)
、写真器械、
雑嚢
(
ざつのう
)
など、一行の荷物は店頭に
堆高
(
うずたか
)
く積んである。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
私達は十町ほど上って見たが、この山道と熔岩流の間に雑木の生茂った谷があり熔岩流はずっと
堆高
(
うずたか
)
く
馬背
(
ばせい
)
なりに流れているので、私達の視界にはこの熔岩流の高い
縁
(
へり
)
だけほか見えないのである。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
私用の大天幕内。舞台上手寄りに、大いなる木の寝台を置き、白い羊の皮で
堆高
(
うずたか
)
きまでに覆う。楯、鎧など、ほどよきところに飾る。正面の壁には、幼稚なる豪古地図の大いなるを掲げたり。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
本屋の店頭に
堆高
(
うずたか
)
く積まれた書物共を見て私は実際仰天した。
章魚木の下で
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
かたちも留めず
毀
(
こわ
)
れ去ったに違いない、よしまたその全部が完きまま遺っていて、眼の前へ
堆高
(
うずたか
)
く積みあげたとしても、それはただ
夥
(
おびただ
)
しい土偶の数だけというだけで
日本婦道記:二十三年
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
けれども、苦虫を噛み潰したような顔をしているその友人は、中々こんな事で承知しそうもないように思われたので、新聞社長は再びせっせと
堆高
(
うずたか
)
い書類を
漁
(
あさ
)
らねばならなかった。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
赤いふくれた指を窮屈そうに
鋏
(
はさみ
)
に入れて、地面に
堆高
(
うずたか
)
く積んだ枝豆を、味気なさそうなのろのろした手付でポツンポツンと切っていて、表から店の女たちの派手な
嬌声
(
きょうせい
)
が聞えてくるたびに
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
一行はあまりに近くへ寄りすぎて、穴ばかりに気をとられ、傍らの
堆高
(
うずたか
)
い土塊に気がつかなかったのです。そこから二本の足がニョッキリと出ています。全く裸の脚です。誰の足でしょう。
崩れる鬼影
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼はその
堆高
(
うずたか
)
い古書の山を前に向いあっていたとき、
不図
(
ふと
)
一つの霊感を得た。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また大きな卓子の上には、古めかしい書籍が、
堆高
(
うずたか
)
く積んであり、それと並んで皮でつくった太鼓のようなものが置いてあった。只一つ、新しいものがあるのが目についた。それは
蓄音機
(
ちくおんき
)
であった。
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
堆
常用漢字
中学
部首:⼟
11画
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
“堆”で始まる語句
堆
堆積
堆肥
堆朱
堆石
堆裏
堆金
堆牌
堆積台
堆朱彫