章魚木の下でたこのきのしたで
南洋群島の土人の間で仕事をしていた間は、内地の新聞も雑誌も一切目にしなかった。文学などというものも殆ど忘れていたらしい。その中に戦争になった。文学に就いて考えることは益々無くなって行った。数ヶ月してから東京へ出て来た。気候ばかりでなく、周囲 …