商賣あきなひ)” の例文
新字:商売
かの今フィレンツェびととなりて兩替しかつ商賣あきなひするひとりの人は、その祖父が物乞へる處なるシミフォンテに歸りしなるべく 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
黒人くろんぼ給仕きふじみちびかれて、燈籠とうろうかげあらはれたつけね——主人しゆじんよう商賣あきなひものをはこせつは、盜賊どろばう用心ようじんきつつ……穗長ほながやりをねえ、こんな場所ばしよへはつけないから
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
偖小間物屋彦兵衞は翌日よくじつ手土産てみやげもち馬喰町馬場のわきなる彼の女隱居いんきよもとゆき昨日きのふ雨舍あまやどりの禮をひてすぐ商賣あきなひに出しが是より心安くなりよひの内などはなしゆき近處きんじよへ出入場の世話を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
馬具や農具の古ぼけた商賣あきなひでも眺めてゐよう。
定本青猫:01 定本青猫 (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
第一として人のがいならぬ氣にても金子の遣取やりとり致し商賣あきなひ手廣てびろき事なれば如何なる所に遺恨ゐこん有間敷あるまじき者にも非ず又其外にもなんぞ手掛りは無きと云るゝに平吉ヘイ其手掛てがかりと申てはべつに御座らねども爰に少々せう/\心當り是とても右樣の儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
持出て挨拶あいさつなしかうらいなるに女ばかりにてさみし折柄をりからゆゑはれるまではなし給へと取卷とりまきしかば彦兵衞は元來辯舌べんぜつよく上方かみがたの名所又は女郎屋の體等さまとう面白おもしろはなすにより老女もきように入り其許そのもとには何方に住宅すまひ致され候やと尋ねけるに私しは御近處橋本町願人ぐわんにん坊主ばうずとなり罷在まかりありて小間物商賣あきなひ致し候と云ふを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)