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唐銅
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からかね
ふりがな文庫
“
唐銅
(
からかね
)” の例文
その落した大火鉢というのは、
唐銅
(
からかね
)
の恐しく重そうな獅噛み火鉢で、少し濡れた灰を戻して
性懲
(
しょうこり
)
もなく、もとの場所に据えてありました。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一段高い廊下の端、隣座敷の
空室
(
あきま
)
の前に、
唐銅
(
からかね
)
で
鋳
(
い
)
て
鏽
(
さび
)
の見ゆる、魔神の像のごとく
突立
(
つった
)
った、
鎧
(
よろい
)
かと見ゆる厚外套、
杖
(
ステッキ
)
をついて、靴のまま。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これより先、道庵の家の一間で、中に火の入れてない大きな
唐銅
(
からかね
)
の
獅噛火鉢
(
しかみひばち
)
を、
盲法師
(
めくらほうし
)
の弁信と、清澄の茂太郎が抱き合って相談したことには
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私等は奥の院の裏手に廻り、提灯を消して
暗闇
(
くらやみ
)
に腰をおろした。
其処
(
そこ
)
は暗黒であるが、その向うに大きな
唐銅
(
からかね
)
の
鼎
(
かなへ
)
があつて、
蝋燭
(
らふそく
)
が幾本となくともつてゐる。
仏法僧鳥
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
かなりに古くなっている竹は
経筒
(
きょうづつ
)
ぐらいの太さで、一方の口には
唐銅
(
からかね
)
の蓋が厳重にはめ込んであった。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
龕
(
みづし
)
めく
唐銅
(
からかね
)
の
櫃
(
ひつ
)
の
上
(
うへ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
霰弾砲
(
さんだんはう
)
の
唐銅
(
からかね
)
の上に
ランボオ詩集
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
その落した大火鉢といふのは、
唐銅
(
からかね
)
の恐ろしく重さうな獅噛み火鉢で、少し濡れた灰を戻して
性懲
(
しやうこり
)
もなく、もとの場所に据ゑてありました。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何、
唐銅
(
からかね
)
の八千貫、こう
痩
(
や
)
せさらぼえた姥が腕でも、指で挟んで棄てましょうが、重いは義理でござりまするもの。
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身を起して見ると——見るというのは勿論、その特有の超感覚で見るのです、以前も以下もそれに準じていただきたい——例の
唐銅
(
からかね
)
の
獅噛
(
しがみ
)
の大火鉢には相当火が盛られていた。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
其処
(
そこ
)
は暗黒であるが、その向うに大きな
唐銅
(
からかね
)
の
鼎
(
かなえ
)
があって、
蝋燭
(
ろうそく
)
が幾本となくともっている。奥の院の夜は寂しくとも、信心ぶかい者の夜詣りが断えぬので、燈火の断えるようなことは無い。
仏法僧鳥
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
龕
(
みづし
)
めく
唐銅
(
からかね
)
の
櫃
(
ひつ
)
の
上
(
うへ
)
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
古風
(
こふう
)
な、
薄
(
うす
)
い、
小
(
ちひ
)
さな
髷
(
まげ
)
に
結
(
ゆ
)
つたのが、
唐銅
(
からかね
)
の
大
(
おほき
)
な
青光
(
あをびか
)
りのする
轆轤
(
ろくろ
)
に
井戸繩
(
ゐどなは
)
が、づつしり……
石築
(
いしづき
)
の
掘井戸
(
ほりゐど
)
。
松の葉
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
正面には
唐銅
(
からかね
)
の大火鉢へ、銀の網の上から手を
翳
(
かざ
)
して、五十年輩の立派な人物が坐り、脇息に
凭
(
もた
)
れたまゝ、寛達な微笑をさへ浮べて此方を眺めて居るのでした。
銭形平次捕物控:025 兵粮丸秘聞
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
正面には
唐銅
(
からかね
)
の大火鉢へ、銀の網の上から手を
翳
(
かざ
)
して、五十年輩の立派な人物が坐り、
脇息
(
きょうそく
)
に
凭
(
もた
)
れたまま、寛達な微笑をさえ浮べてこっちを眺めているのでした。
銭形平次捕物控:025 兵糧丸秘聞
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「鉢前にゃ、
夜
(
よ
)
が明けたら見さっせえまし、大した
唐銅
(
からかね
)
の手水鉢の、この邸さ
曳
(
ひ
)
いて来る時分に牛一頭かかった、見事なのがあるけんど、今開ける気はしましねえ。……」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
此處にはいつぞやお夢の頭の上に落された
唐銅
(
からかね
)
の大火鉢が
性懲
(
しやうこり
)
もなく据ゑられて、火もなく
鐵瓶
(
てつびん
)
もありませんが、冷たい灰が火鉢の半分程も減らされて居るのでした。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此処にはいつぞやお夢の頭の上に落された
唐銅
(
からかね
)
の大火鉢が
性懲
(
しょうこり
)
もなく据えられて、火もなく
鉄瓶
(
てつびん
)
もありませんが、冷たい灰が火鉢の半分ほども減らされて居るのでした。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
唐
常用漢字
中学
部首:⼝
10画
銅
常用漢字
小5
部首:⾦
14画
“唐”で始まる語句
唐突
唐
唐紙
唐土
唐桟
唐櫃
唐草
唐辛子
唐人
唐黍