即刻そっこく)” の例文
即刻そっこく間諜座かんちょうざおもむキ、「レビュー・ガール」のうちヨリ左眼ニ義眼ヲ入レタル少女ヲ探シ出シ、彼女ノ芸名ヲ取調ベ
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
縄付の娘を仲間部屋にれ込んで、いろいろ責め問うている平次は、即刻そっこく赤井左門の前に呼出されました。
三日前に先生の処へ行てチャント様子をしって居るのに、急病とは何事であろうと、取るものも取敢とりあえず即刻そっこくうちを駈出して、その時分には人力車も何もありはしないから
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「ただわたしと致しまして、即刻そっこく改良あらためて貰いたいことが、幾個いくつかあるのでございます」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
といって彼は即刻そっこく東京に出かけてゆく手段を持ってはいないのだ。神経衰弱の養生のために、家族を挙げて亜米利加アメリカに行っている戸田教授でもいたら、相談に乗ってくれるかもしれない。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
娘の言うところによると、あまりのことに見かねて即刻そっこく帰宅の手続をして来た。だが、当局とうきょくは、非常に反対の様子を示したとのことである。私は直感的にその処置しょちを賞めるの外はなかった。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
領主 その曲事きょくじゆゑに、即刻そっこく追放つゐはう申附まうしつくる。汝等なんぢら偏執へんしふ予等われらまでも卷込まきこまれ、その粗暴そばう鬪諍とうじゃうによってわが血族けつぞく血汐ちしほながした。わがこの不幸ふかう汝等なんぢらにもくやますため、きびしい科料くわれうくわさうずるわ。
「よろしい。本艦は即刻そっこく帰隊する。おまえは先に帰ってよろしい。」
烏の北斗七星 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
帆村探偵は、改めて電話を署にかけると、彼等の帰宅をようして、即刻そっこく現場へ連れ戻ってほしいと希望をのべたのであったが、それは直ぐさま承諾された。
麻雀殺人事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
所が壹岐守は本牧を廻らずに横浜の方へ這入はいって、自分の独断で即刻そっこくに償金をはらうて仕舞しまった。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
明日あすとも云わず其日そのひ即刻そっこく、京伝は使いを走らせて馬琴を家へ呼んで来た。
戯作者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
死体は即刻そっこく大学へ廻され、剖検ぼうけんされた。結果としてその早暁そうぎょう二時と三時との間に殺害さつがいされたことが判明した。死因は刺殺しさつで、刃物は美事みごとに心臓に達している。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
成程れはい話で、此方こっちはモウ実に金にこがれて居るその最中に、二人の子供の洋行費が天からふって来たようなもので、即刻そっこく応と返辞へんじをしなければならぬ処だが、私は考えました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
即刻そっこく警官隊を出動させて、研究所の建物全部を占領せよ。われわれは全力をあげてX号を追跡する——
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「市民たちは、即刻そっこく地上に避難せよ。地上に出た方が、まだ被害程度が軽いであろう」
そして、いよいよ敵機が襲来して参りますと、非常管制警報が発せられまするからして、その時は、即刻そっこく灯火あかりを御始末下さいまし。ッ、いよいよ空襲警報が発せられる模様であります
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)