“功果”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こうか66.7%
こうくわ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでは何らの功果こうかもないかと云うと大変ある。劇全体を通じての物凄ものすごさ、おそろしさはこの一段の諧謔かいぎゃくのために白熱度に引き上げらるるのである。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
その熱心の功果こうかむなしからずして昨今ようやく歩調が少しととのうようになって来た。今までは髯がえておったのであるが、この頃は髯を生やしているのだと自慢するくらいになった。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
消防せうばう群集ぐんしふほとんど皮膚ひふかれるやうなあつさをおそれて段々だん/\とほざかつた。ちひさな喞筒ポンプそのさかんほのほまへただでうほそみじか彎曲わんきよくしたしろせんゑがくのみでなん功果こうくわえなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
卯平うへいあわててふたゝ茶碗ちやわんおとした。かれ突然いきなり與吉よきちかたはら退けた。かれはさうして無意識むいしきつた落葉おちばさうとして、自由じいううしなうたのろ運動うんどうすになん功果こうくわもなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)