むか)” の例文
さくらかはむかされては大變たいへんと、兒童こども早速さつそく親父おやぢとほりになつてその翌日よくじつから平常いつもごと學校がくかうふううちた。けれどもけつして學校がくかうにはかない。
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
昨夜ゆうべはからどうもすっぱりむかれた」と自慢にているとは馬鹿気た事でございます。
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
皮をむかれた無数の豚は、爪を垂れ下げたまま、肉色の洞穴を造ってうす暗くくぼんでいる。そのぎっしり詰った豚の壁の奥底からは、一点の白い時計の台盤だけが、眼のように光っていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
怠惰屋なまけやなぞになられてたまるものか、學校がくかうくのがいやならさくらかはむかすがいか、サア如何どうこのおほたわけめ!
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
四五日しごにちつと此事このことたちま親父おやぢみゝはひつた。親父おやぢ眞赤まつかになつておこつた、店にあるだけのさくらの木の皮をむかせ(な脱カ)ければ承知しようちしないと力味りきんたが、さて一向いつかう效果きゝめがない。少年こどもは平氣で
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)