“剥離”の読み方と例文
読み方割合
はくり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが終って陶の身体を棺に納めようとするとき、一塊の肉が脛から剥離はくりしてポロリと戸板の上に落ちた。俺は袖で顔を蔽って泣いた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それは欧洲おうしゅう文芸復興期の人性主義ヒューマニズムが自然性からだんだん剥離はくりして人間わざだけが昇華しょうかげ、哀れな人工だけの絢爛けんらんが造花のように咲き乱れた十七世紀の時代様式らしい。
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
渾沌こんとんを防ぎとどむべきなんらの防壁もなかった。あらゆる武器は、彼の四方をおごそかにとり巻いていた城壁は、神も芸術も傲慢ごうまんも道徳も、皆次々に崩壊してゆき、彼から剥離はくりしていった。