光榮くわうえい)” の例文
新字:光栄
その小松こまつは、何處どこからかひかりけてるらしく、丁度ちやうどぎんモールでかざられたクリスマスツリーのやうに、枝々えだ/\光榮くわうえいにみちてぐるりにかゞやいてゐた。
日の光を浴びて (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
隷属れいぞくは、決して光榮くわうえいある生存せいぞんじやないからな。身分や家柄………其様なものは、俺といふ個人に取つて、何等の必要がある。第一體にはへられん!
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
とりわけてこれとふ……何處どこもみんなおんなじですがね。……だが、あのほしくにへあそびにつて、よひのうつくしい明星樣めうじやうさまにもてなされたのだけは、おらが一しやうだい光榮くわうえい
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
すなはひといへとは、さかえるので、かゝ景色けしきおもかげがなくならうとする、末路まつろしめして、滅亡めつばうてうあらはすので、せんずるに、へびすゝんでころもぎ、せみさかえてからてる、ひといへとが、みな光榮くわうえいあり
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
なぜならば、少しもそれらの運動うんどう宣言せんこく共鳴きようめいを感ずることが出來ませんでしたから。ひそかに自分達じぶんたちの考へはもうふるいのだろうとうなづきました。さうしてその舊さに滿足まんぞくを感じ、光榮くわうえいを感じました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)