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兄哥
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あにき
ふりがな文庫
“
兄哥
(
あにき
)” の例文
「銭形の
兄哥
(
あにき
)
、この通りだ。種も仕掛けもねえ、が、三人が三人とも、下手人の疑いがあるから、どれを奉行所へ送りようもねえ」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
兄哥
(
あにき
)
、随分人に気を揉ませるじゃねえか、こんな所に潜り込んでいるんだもの、いくら探したって分りッこはありゃしねえ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猪之はやはり大工で藤吉の弟分に当り、年は二十五歳だという。初め養生所へ頼みに来たのは、
兄哥
(
あにき
)
分の藤吉であった。
赤ひげ診療譚:04 三度目の正直
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
こんの
兄哥
(
あにき
)
もそういうし、乗組んだ理右衛門
徒
(
でえ
)
えも、姉さんには内証にしておけ、話すと
恐怖
(
こわ
)
がるッていうからよ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
暫くすると、下から三人づれで登って来る連中がある、ガイドはシュトイリの弟で、
兄哥
(
あにき
)
にまけない
山
(
やま
)
ゥ
人
(
ど
)
然とした男だった、これらは一番の電車でやって来たのだそうな。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
▼ もっと見る
真顔で聞いて呉れる者は、お君ちやんより他はなかつたが、謀らずも今夜、君といふ同情者に出遇つて斯んな嬉しい事はない。今後、是非とも無二の親友としてつき合つて呉れ。俺は、何だか君が、
兄哥
(
あにき
)
のやうな気がして来た。
露路の友
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
潰してはいられないぞ。三つ股の
兄哥
(
あにき
)
、この道人を引っ
括
(
くく
)
ってくれ。寺社のお係りへ渡して、
鰯
(
いわし
)
を
銜
(
くわ
)
えさして四つん
這
(
ば
)
いに這わしてやる
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
後生
(
ごしょう
)
だぜ。後生一生だ! うまくポンとやってくれ、頼ま、頼ま、新九郎の
兄哥
(
あにき
)
、おっと、南無八幡大菩薩さま!」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ああ、これは——小学校へ通いはじめに、私の手を
曳
(
ひ
)
いてつれてってくれた、町内の
兄哥
(
あにき
)
だ。」と、じとじとと声がしめると、
立
(
たち
)
がけの廊下から振返って
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「その通りだよ
兄哥
(
あにき
)
、矢は上向きに突つ立つて居る、——
踞
(
しや
)
がんだところを後からやられなきや、こんな工合になるわけはねえ」
銭形平次捕物控:057 死の矢文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その後、彼は旅から旅を流浪していたが、ふとこの木曾路へかかッた時、不思議な姿に変り果てた当時の御曹子の
兄哥
(
あにき
)
——春日新九郎に出会ったのだ。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
作者
夥間
(
なかま
)
の、しかも
兄哥
(
あにき
)
が、このしみったれじゃあ、あの亭主にさぞ肩身が狭かろう、と
三和土
(
たたき
)
へ入ると、根岸の日蔭は、はや薄寒く、見通しの庭に
薄
(
すすき
)
が
靡
(
なび
)
いて、秋の雲の白いのが、ちらちらと
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「三輪の
兄哥
(
あにき
)
もそんな事を考えているようだが、それだけは間違いだよ。若い娘が夜中に外へ出たからって、逢引とは限らねえ」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「——それはここの対岸で、見張り役の酒店をやっている
朱貴
(
しゅき
)
の
兄哥
(
あにき
)
にこした者はありません。朱貴も
沂水
(
きすい
)
県の生れで、
李逵
(
りき
)
とは同じ在所の出ですからね」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
兄哥
(
あにき
)
を頼みましょう、お迎え申して、)
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
縛るつもりで来たのじゃない、——三輪の
兄哥
(
あにき
)
が縛ったのは何かの間違いだろう。お
内儀
(
かみ
)
さんに、あまり心配しないようにって言うんだよ
銭形平次捕物控:029 江戸阿呆宮
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「よかったなあ、せっかく、ご案内してきても、どうかと思ってたンだが。……ところで
兄哥
(
あにき
)
」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「平次
兄哥
(
あにき
)
、面目次第もない。何もかもお品から聞いたが、狸囃子の曲者を挙げさせた指金は、兄哥がやってくれたんだってネ」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おいッ、
兄哥
(
あにき
)
、何をばかな真似をするのだ、あぶねえじゃねえか」
普請場
(
ふしんば
)
の方で、この
態
(
てい
)
を見て飛んできた、仲間の大工の一人だった。うしろから平次郎に組みついて
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「たいそう機嫌の悪い虫だね。じゃ、三輪の
兄哥
(
あにき
)
がびっくりするような手柄を立ててよ、お
神楽
(
かぐら
)
の清吉が目を廻すような女房を貰うんだね」
銭形平次捕物控:124 唖娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
親分の下に
兄哥
(
あにき
)
があり、兄哥の下に
乾児
(
こぶん
)
があり、その乾児のうちにも古参新参の区別がやかましく、他の客分格だの、仲間の礼儀作法も、誰が立てたともなく、非常に厳密であった。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
石原
(
いしはら
)
の
兄哥
(
あにき
)
の縄張だが、利助兄哥はあのとおり身体が悪くて、娘のお
品
(
しな
)
さんが代って仕事をしている有様だから、どうすることも出来ない。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
張順の体を船ベリに抑えつけて「——縁もゆかりもねえ野郎に、なんで、得もねえ親切気など出すものかよ。……だが
兄哥
(
あにき
)
、こんな
薄野呂
(
うすのろ
)
にしちゃあ、存外な大金を持ッてたものだな」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
外
(
ほか
)
にお駒を殺す者はなし、こんな弱ったことがない。どう考えても解らないから、
兄哥
(
あにき
)
へ智恵を借りに来たんだが、——どうしたものだろう
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「なにが弱る。雲長という
漢
(
おとこ
)
は、武人のくせに、金に困らぬやつだ。雲長はおれの
兄哥
(
あにき
)
だ。弟の張飛が飲んで行ったといえば、払わぬわけにはゆくまい。——おいっ、もう一杯ついでこい」
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「それも
尤
(
もっと
)
もだが、ね、
兄哥
(
あにき
)
、どんな証拠があるにしても、伝吉は人を殺すような人間には見えないが、どういうものだろう」
銭形平次捕物控:095 南蛮仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
『
兄哥
(
あにき
)
。……何もそう俺は
尖
(
とが
)
っているんじゃねえ。おめえの枕元で、あんな話をしたというのも、これや
矢張
(
やっぱ
)
り、おめえにも運があったと云うもんだ、どうだ。この仕事は、
乗
(
のり
)
で行こうじゃねえか』
魚紋
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どこをどう突ついて、どう
手繰
(
たぐ
)
ったものか、まるっきり見当が付かない。気の毒だが
兄哥
(
あにき
)
の智恵を貸してくれないか、恩に着るつもりだが——
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
兄哥
(
あにき
)
、これやホンの少しだけれど」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「本所は石原の
兄哥
(
あにき
)
の繩張りだ、頼まれたつて俺の出る幕ぢやねえ。それに、石原の兄哥にケチなんぞ付けやがつて」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それあ、
兄哥
(
あにき
)
のいうとおりだ。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「届出は
頓死
(
とんし
)
だが、——あの辺は
石原
(
いしはら
)
の利助
兄哥
(
あにき
)
の縄張内だ。昼頃変な小僧が手紙を持って来たんだそうで、お
品
(
しな
)
さんが持って来て見せてくれたよ」
銭形平次捕物控:085 瓢箪供養
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「菰の
兄哥
(
あにき
)
これやあ何だい」
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
してくれ、今晩は帰らないかも知れないから、ガラッ八の野郎が来たら石原の
兄哥
(
あにき
)
の家へ来るようにって言っておくれ
銭形平次捕物控:018 富籤政談
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「銭形の、——気の毒だが、
兄哥
(
あにき
)
も
満更
(
まんざら
)
掛り合いがないわけでもあるまい。少し乗出して智恵を貸しちゃ貰えまいか」
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見ると
唸
(
うな
)
るぢやないか。——あの通りだよ、三つ
股
(
また
)
の
兄哥
(
あにき
)
。目白までつれて行つたところで、大した役には立つまい
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「本所は石原の
兄哥
(
あにき
)
の縄張だ、頼まれたって俺の出る幕じゃねえ。それに、石原の兄哥にケチなんぞ付けやがって」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それ位のことなら、眞砂町の
兄哥
(
あにき
)
の前だが、蓋も底もあるまい。俺なんか顏を出す幕ぢやないやうに思ふが——」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三輪の
兄哥
(
あにき
)
がお島を縛ったそうですから、私のところへ金を
投
(
ほう
)
り込むのはお島じゃございません。今晩十五両投り込んだのは、何よりの証拠で——」
銭形平次捕物控:036 八人芸の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、さうでないよ
兄哥
(
あにき
)
、俺は一つ、明日は狸狩りをやらうと思ふんだが、若い者を少し貸して貰へるだらうネ」
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「金は盜んだが、
兄哥
(
あにき
)
は殺さなかつた——とでも言ふんだらう。そんな言ひ譯は通用しねえ。さア刃物を何處へ隱した。そいつを聽かうぢやないか、え?」
銭形平次捕物控:121 土への愛著
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「金は盗んだが、
兄哥
(
あにき
)
は殺さなかった——とでも言うんだろう。そんな言い訳は通用しねえ。さア刃物をどこへ隠した。そいつを聴こうじゃないか、え?」
銭形平次捕物控:121 土への愛着
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「佐吉
兄哥
(
あにき
)
、——俺も解った
心算
(
つもり
)
だが、どうも
腑
(
ふ
)
に落ちないことがある。一と晩よく考えて、明日の
巳刻
(
よつ
)
(十時)過ぎに、またここで逢うことにしようか」
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「三輪の
兄哥
(
あにき
)
が乗り出して、金五郎を縛って行ったのは、いずれ動きのとれない証拠があってのことだろう」
銭形平次捕物控:120 六軒長屋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「八と喜八
兄哥
(
あにき
)
は此處で待つてゐてくれ。入る奴を縛つちやいけない、出る奴を縛るんだ。誰でも構はない」
銭形平次捕物控:112 狐の嫁入
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いや、
手前
(
てめえ
)
は叔母さんをつれて石原の
兄哥
(
あにき
)
のところへ行ってくれ、それからまた引返すんだ——物置の後ろに隠し木戸がある、内からなら楽に開けられる」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「飛んでも無い、旦那は
兄哥
(
あにき
)
の腕を褒めて居なさるよ、年は取つても、金六のやうにあり度いものだつて」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「とんでもない、旦那は
兄哥
(
あにき
)
の腕を褒めていなさるよ、年は取っても、金六のようにありたいものだって」
銭形平次捕物控:048 お藤は解く
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
落合の
兄哥
(
あにき
)
に遠慮して、土地の若い男は、
門並
(
かどなみ
)
御遠慮申上げているんだ。お菊に
惚
(
ほ
)
れただけの男なら、
一束
(
ひとたば
)
や二束はあるが、お菊を手に入れたのは手前だけよ。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
石原
(
いしはら
)
の
兄哥
(
あにき
)
のところの、お
品
(
しな
)
さんに、済まねえがちょいとここへ来て下さるようにってそう言ってくれ」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
兄
常用漢字
小2
部首:⼉
5画
哥
漢検1級
部首:⼝
10画
“兄哥”で始まる語句
兄哥連
兄哥面