伴侶なかま)” の例文
「フランシス」「ベルナルドーネの若い騎士」「円卓子パンサ・ロトンダの盟主」などと声々に叫び立てながら、はぐれた伴侶なかまを探しにもどって来た。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
さういふ伴侶なかまことをんな人目ひとめすくな黄昏たそがれ小徑こみちにつやゝかな青物あをものるとつひした料簡れうけんからそれを拗切ちぎつて前垂まへだれかくしてることがある。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
我はひとりのプッチオ・シヤンカートなるをさだかに知りき、さきに來れるみたりの伴侶なかまの中にて變らざりしはこの者のみ 一四八—一五〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
クララはやはりこの堂母ドーモのこの座席に坐っていた。着物を重ねても寒い秋寒に講壇には真裸まっぱだかなレオというフランシスの伴侶なかまが立っていた。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
勘次かんじ開墾かいこん手間賃てまちん比較的ひかくてき餘計よけいあたへられるかはりにはくぬぎは一つもはこばないはずであつた。彼等かれら伴侶なかまはさういふことをもつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
六者むたり伴侶なかまりて二者ふたりとなれり、さとき導者異なる路によりて我を靜なる空より震ひゆらめく空に導き 一四八—一五〇
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
狐疑こぎしてるやうなその容貌ようばうとは其處そこあへ憎惡ぞうをすべき何物なにもの存在そんざいしてないにしても到底たうてい彼等かれら伴侶なかますべてと融和ゆうわさるべき所以ゆゑんのものではない。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
されば行け、我は汝の衣につきてゆき、永劫の罰を歎きつゝゆくわが伴侶なかまにほどへて再び加はるべし 四〇—四二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
フランシスとその伴侶なかまとの礼拝所なるポルチウンクウラの小龕しょうがんともしびが遙か下の方に見え始める坂の突角に炬火たいまつを持った四人の教友がクララを待ち受けていた。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)