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仕拂
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しはら
見すかされ
機械仕掛のあやつり
身上松澤ももう
下り
坂よと
囃されんは
口惜しく
脊なる
新田は
後廻し
腹の
織元其他へ
有金大方取あつめて
仕拂ひたる
噂こそ
耳よりのことなれと
平生ねらひすませし
的彼方より
延期を
時なる
哉松澤はさる
歳商法上の
都合に
依り
新田より
一時借り
入れし
二千許の
金ことしは
既に
期限ながら
一兩年引つゞきての
不景氣に
流石の
老舖も
手元豐かならず
殊に
織元その
外にも
仕拂ふべき
金いと
多ければ
新田は
親族の
間柄なり
且は
是迄我が
方より
立かへし
分も
少からねばよもや
事情打あけて
延期を