二包ふたつゝみ)” の例文
まもる者なくては叶はずと云ながらの友次郎が脇指わきざしをお花に渡し此脇指を肌身はだみはなさず何事も相談して怪我けがなき樣に暮すべしと懷中くわいちうより二包ふたつゝみの金子と藥の入し印籠いんろう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
十錢じつせんのを二包ふたつゝみ二包ふたつゝみですよ——いかい。それから、十五錢じふごせんのを一包ひとつゝみみないたのをね。」
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
勘次かんじまたかはえてはしつた。藥舖くすりやではびんれたくすり二包ふたつゝみわたしてれた。一罎ひとびんが七十五せんづゝだといはれて、勘次かんじふところきふにげつそりとつた心持こゝろもちがした。かれ蜻蛉返とんぼがへりにかへつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
取出し是はわづかながら兄よりの餞別せんべつなり二品を持て早々出立せよと云つゝ其儘そのまゝお花が部屋を立出ればお花は元より友次郎も夜着の中より喜内が後影うしろかげ伏拜ふしをがやがて兩人は支度をなし二包ふたつゝみの金と藥を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
障子しやうじはひつて、やつこちか土間どま床几しやうぎにかけて、……二包ふたつゝみあつらへた。
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)